要求されたスタミナ モズスーパーフレアの持ち時計も「絵に描いた餅」に

佐藤直文 レース回顧
京阪杯

夏からさらにパワーアップ ライトオンキュー

 京都は先週あたりよりもさらに荒れて、1分8秒8の決着が示す通りの時計のかかる馬場。これでは1分6秒台や7秒台前半の持ち時計を誇る馬も絵に描いた餅に過ぎず、1200m以上の距離をこなせるスタミナもまた要求されたと言える。

 ライトオンキューは、中団をスムーズに追走して、4コーナーで外へ持ち出されると他馬とは一線を画すような伸びで突き抜けたもの。ここ2戦の札幌での好走で、時計のかかる馬場の適性を示していたのに加え、速い馬もいて展開も味方したとはいえ、その札幌戦よりもさらにパワーアップした感を受けた。このまま順調に行けば、来春の高松宮記念でも楽しみな一頭となるだろう。

ライトオンキュー

外から伸びて完勝のライトオンキュー(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着アイラブテーラーは、故障馬のアオリを受けるシーンもあって4コーナーでも後方の厳しい位置取りだったが、直線では馬群を割って力強い伸びを見せた。勝ち馬同様にこの馬もまた1400mでも実績があるが、こちらはむしろ1200mより1400m戦の方がベストのタイプだろう。

 3着カラクレナイは、ソツのない競馬で上手に走っていたが、これまたベストは1400mというクチだ。

 4着アウィルアウェイは、2着馬同様に落馬のアオリを受けたが、直線でよく盛り返したもの。2着馬とともに、この路線の3歳勢のレベルの高さを示したように思う。

 5着リナーテは、直線でジリジリとした脚を伸ばせなかったが、プラス12キロと少し重目残りだった分か。

 モズスーパーフレアは、自分の形には持ち込めたが、やはり速い時計の出る馬場でこそのタイプ。今の京都の馬場では厳しかった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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