レーンの4角「神業」 9着アーモンドアイは「今後も注文が付く」

佐藤直文 レース回顧
有馬記念
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ド派手なラストラン 女傑リスグラシュー

 GI馬が史上最多の11頭という豪華メンバーに加えて、外国人ジョッキーを含めた鞍上も錚々たる面々だったが、勝負どころの2周目3コーナーでも前とはかなりの差があった中で、早目に動くことなくジッとしていたジョッキーが多かったのは流石であった。中でもレーン騎手は、道中はインをロスなく運んで、4コーナーで馬群がバラけたところを減速せずに斜めに外へ持ち出すという、この日が中山での初騎乗とは思えぬ神業レベルの手綱捌き。凄いモノを見せられた、と言うしかない。

 そのリスグラシュー。レーン騎手の巧みなリードもあったとはいえ、そのゴーサインに即座に反応して見せた走り自体も素晴らしかった。まして、2着に付けた着差が5馬身なら、どう乗られていても勝てたとすら思える強さである。ラストシーズンにハーツクライ産駒らしい成長力を見せ、このラストランでもデビュー以来最高の馬体重で、かつ生涯最高のパフォーマンスで締めくくるとは、歴代に類を見ない女傑ぶりだろう。クラブの規定とはいえ、これで引退とは本当にもったいない。

リスグラシュー

圧巻のパフォーマンスで有終の美を飾ったリスグラシュー(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着サートゥルナーリアは、この中間の調整もそうだったが、発走前の輪乗りでも一頭だけ離れたところで、とにかくリラックスさせることに重きを置いてレースに臨むことができた。レースでも折り合い重視で気負う面も見せず、勝負ところから外を回る形になったとはいえ、スミヨン騎手も完璧な騎乗だったように思う。勝ち馬には完敗したが、改めて世代トップの力を示したと言えるだろう。

 3着ワールドプレミアは、道中は最後方のインをロスなく運び、4コーナーで大外へ持ち出す形。おそらくレースプラン通りの競馬だったと思うが、直線でよく伸びて最後も2着馬を交わすかの勢いだった。今日の相手にこれだけやれたのなら、当然、来春の天皇賞では有力視できる。

 4着フィエールマンは、1周目のスタンド前で上がってきたアーモンドアイをマークする形で運び、直線を向いて交わしたところで外からドッと来られたもの。結果的にはマークすべき相手が違っていたわけだが、これは仕方なく、まだ万全の状態とは言えない中でよく走ったと言えよう。

 5着キセキは、スタートのタイミングが合わずに出遅れ、その後も進んで行かなかったこともあってか、腹をくくって控える形となったが、こういう競馬もできたという点では新味を見せた収穫のある内容だったか。来年もまだどこかでチャンスがあるはずだ。

 アーモンドアイは、序盤から力みが見え、大歓声のスタンド前では完全にスイッチが入ってしまった。淀みない流れでスタミナも問われる一戦となった中で、前半の消耗は致命的だったと言える。今日のところは状態面やコース適性の問題ではないとも言えるが、リラックスして走れる状態とコースではなかったことも確かであり、今後もそういった注文が付くのかもしれない。

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