ダノンスマッシュ完勝 そして、2着ナックビーナスにも賛辞を

佐藤直文 レース回顧
オーシャンS

今年こそタイトルを ダノンスマッシュ

 3週後に控える高松宮記念の有力馬が揃い踏む形となったが、今の少し時計のかかる馬場での1分7秒4という決着タイムも優秀であり、顔ぶれに違わぬハイレベルな戦いであった。

 ダノンスマッシュは、スタートで立ち遅れたものの、巧くスペースを見つけてスッと好位へ。外枠であったなら、こうは巧く運べなかったかもしれないが、絶好の手応えで直線を向くと危な気なく抜け出す完勝であった。昨年は春秋ともに1番人気に推されながらGIタイトルを逃したが、今年こその期待が高まる勝ちっぷりだったと言えよう。

ダノンスマッシュ

重賞4勝目のダノンスマッシュが次に欲しいのはGIタイトル(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ナックビーナスは、このところハナへ行く競馬が続いていたが、今回は行きたい馬を行かせて2番手に控える形。もちろんこういう競馬でも結果を出してきた馬であり、状態の良さも相まって完璧なレースができたが、相手が悪かったと言うしかない。これでこのレースは4年連続の2着であり、本当に頭の下がる馬である。

 3着タワーオブロンドンは、内枠を味方に付けた勝ち馬とは対照的に、こちらはできれば外へ持ち出したいタイプ。それが叶わなかった上に、追われての反応も一息だったが、これは58キロの斤量ではなく5ヶ月ぶりの久々だった分と見ていいだろう。今日のところは完敗でも、次は確実に変わってくるはずだ。

 4着グランドボヌールは、中団から差す形の競馬でアワヤ馬券圏のシーンを作ったが、こういう競馬を続けていけば芝の重賞でもどこかでチャンスはありそうだ。

 5着キングハートは、一昨年の勝ち馬として、らしい伸びは見せたものの、年齢的にもここまでが精一杯だったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。