武豊の発言は「リップサービスではない」サトノフラッグの才

佐藤直文 レース回顧
弥生賞

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これぞ父を彷彿させる走り サトノフラッグ

 本番と同じ舞台の同じ距離で行われることもあって、皐月賞の最重要トライアルという位置付けは今も昔も変わりはないが、このところは弥生賞組の本番での好走例が減り、10年前のヴィクトワールピサを最後に皐月賞馬は出ていない。比較的少頭数で流れも落ち着くことが多く、本番とはレースの質自体も違うことが大きな要因であろうが、今年の勝ち馬に限っては胸を張って本番に臨めそうだ。

 そのサトノフラッグ。敗因は他にもあったとはいえ重馬場の新馬戦で6着と敗れているだけに、同じ重まで悪化した今日の馬場はどうかとも思われたが、最内枠から控える形で早目に馬場の外目に持ち出され、とにかくノビノビと走ることができていた。勝負どころから、ほぼ馬なりのまま進出して4コーナーでは先頭に並びかけたが、これはレース後の武豊騎手の言葉を借りると“自分で上がっていった”もの。それも含めて“父のような走り”と形容したのも、単なるリップサービスではなかったろう。あとは多頭数でモマれた時にどうかだけだが、けっしてディープ産駒向きではない馬場で、これだけの強さを示したのだから、最高のステップとなったのは間違いないところだ。

サトノフラッグ

ディープインパクト産駒サトノフラッグが3連勝でクラシックへ(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ワーケアは、勝負どころで勝ち馬が外から進出した際に、自身は馬群で動けなかったこともあったが、直線に向いてからも反応に時間がかかり、本来の伸びを見せたのは坂を上がってから。ただ、このあたりは先を見据えて馬体も緩めの造りだった分もあっただろう。その上積み分を見込めば、本番へ向けては悲観すべき内容ではなかったはずだ。

 3着オーソリティは、4コーナー手前から勝ち馬の進出に合わせて動いて、よく抵抗して力は示したものの、上位2頭に対しては力の差があったか。

 4着ブラックホールは、巧く末脚を生かす形の競馬で、渋った馬場への適性も十分に示したと言えるが、距離はもっとあっていいタイプかもしれない。

 5着オーロアドーネは、前3頭とは離れた4番手追走から、早目に動いて3コーナーでは先頭に並びかける形。楽な競馬ではなかったが、キャリア1戦の身で掲示板に踏みとどまったことは評価できる。自己条件に戻れば、アッサリまでありそうだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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