満開の桜が見届けた雨中の激戦 制したデアリングタクト、オークスでは…

佐藤直文 レース回顧
桜花賞

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抜けていた身体能力 デアリングタクト

 朝から降り続いた雨により、芝は昼前に良から稍重へ、そして桜花賞発走の1時間ほど前には重へと変更された。やはり、この馬場悪化の影響はあったと思えるが、この状況での前半1000m通過58秒0は明らかなハイラップであり、レースの上がりが38秒1という典型的な消耗戦。馬場適性とともに底力の問われる一戦になった。

 デアリングタクトは、序盤は中団の後ろで折り合いを付けていたが、そこからスムーズに外へ持ち出して、直線では大外からただ1頭だけ弾けて先行2騎を捉え切った。今日の馬場でこれだけの脚を使えたのだから、道悪の適性も間違いなく高かったと言えるが、それ以上に身体能力の高さが抜けていたと言えよう。折り合いが難しいタイプでもなく、今回が距離以上にタフさが要求される一戦だったことを考え併せれば、オークスでもとの期待をかけていいだろう。

デアリングタクト

後方から1頭だけ伸びてきたデアリングタクトが桜の女王に(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着レシステンシアは、外枠からジワっと前に行く形。内のスマイルカナも速かったために2番手に控える競馬となったが、このあたりは想定内だったとはいえ、やはりハナを切るのが理想の馬。それでも後続に脚を使わせる競馬で、改めて力は証明したように思う。

 3着スマイルカナは、対照的に自分の競馬ができて、持ち味をフルに生かし切った。直線で2着馬に交わされてからもバテることなく食い下がったあたり、ハナさえ切れれば相当な渋太さを発揮するタイプだろう。

 4着クラヴァシュドールは、序盤はリズム良く運べていたが、3コーナー過ぎでゴチャついてポジションを大きく下げてしまった。直線では内から勝ち馬に次ぐ上がりで脚を伸ばしていただけに、そのロスが悔やまれる。

 5着ミヤマザクラは、絶好のポジションで追走できていたが、勝負どころで脚が空回りした印象を受け、道悪自体が合わなかったか。ただ、直線ではよく盛り返しており、距離が延びるオークスでは確実にパフォーマンスを上げてくるはずだ。

 サンクテュエールは、好位のインでスムーズに流れに乗りながら直線で伸びを欠いたのは、道悪のためだろう。マルターズディオサも、前を見ながら理想のレース運びであったが、これまた今日の馬場が応えたと見るべきか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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