コントレイル別次元で“1強ダービー” 5着サトノフラッグは「こんな馬では…」

佐藤直文 レース回顧
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無敗対決を制してまずは1冠 コントレイル

 中山グランドジャンプで同じオジュウチョウサンの勝ちタイムが、昨年よりも20秒近く遅かった前日の超不良馬場から、かなり心配された当日の馬場であったが、2分0秒7の決着タイムが示す通り、好天と気温の上昇により急速に馬場が乾いて、紛れのない実力が問われる一戦となった。

 コントレイルは、スタートは悪くなかったが、最も内が荒れているホームストレッチで思うように進んで行かず、レース後に福永騎手も語っていたように想定外のポジション取りとなってしまった。ただ、3コーナー手前の馬群がバラけたところでスッと外へ持ち出してからは、一頭だけ別次元の手応えで進出。かなり外を回るロスがあった分、最後は抵抗する2着馬を突き放せなかったとはいえ、着差以上の能力の違いを示したと言える。この強さは距離が延びて更に、という印象も受けただけに、今回こそ“3強ムード”であったが、ダービーは“1強”と考えていいだろう。

コントレイル

抵抗するサリオスを退けコントレイルが1冠奪取(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着サリオスは、好位のインでロスのない立ち回りだったが、結果的には馬場の悪いところを走らされた形。最後に抵抗して力は示したものの、相手が一枚上だったとも言える。ただ、こちらは距離が延びてどうかという印象も受けるだけに、今日の差をダービーで逆転するのはかなり難しいかもしれない。

 3着ガロアクリークは、前走で自信を付けたこともあってか、自分の競馬ができて力は出し切れたように思うが、これまた今日の差をダービーで逆転するのは厳しいだろう。

 4着ウインカーネリアンは、2番手から直線を向いたところでは先頭に。内から2着馬に、外から勝ち馬に一気に交わされたが、そこから渋太く粘っていた。中2週続きの強行軍だったことを考えても、大健闘だったか。

 5着サトノフラッグは、勝負どころからジワッと進出して、直線を向いたあたりでも手応えは十分に残っていたように見えたが、意外なまでに伸びなかった。今回はギリギリのところまで仕上げ過ぎてしまったのかもしれないが、こんな馬ではないと思う。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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