牡馬を完封! スマートレイアーは安田記念でも注目

佐藤直文 レース回顧
東京新聞杯
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紅一点がまんまと逃走 スマートレイアー

 例年であれば、順調にステップを踏んでニューイヤーSや京都金杯を使ってきた馬が主力となる一戦だが、今年は両レースともレベルに疑問符が付く結果。別路線から臨むダッシングブレイズダノンプラチナ、勢いと実績で勝る2頭に人気が集まったのも当然と言えた。

 しかしながら、当然とは言えなかったのが、流れ。逃げ馬不在、そして枠順次第ではハナへ、というジョッキーコメントもあったテイエムタイホーが大外枠を引いて、スローペース自体は予想されたことであったが、それにしてもここまで遅くなるとは思わなかった。前半3ハロンが36秒0で1000m通過が60秒6。ひとつ前の2400m戦が、36秒1-60秒4であり、残り3ハロンの地点までは1マイル半の競馬の流れだったのだ。これでは、後方から運んだ馬や外から差す馬が届くわけがない。実際に、上がり3ハロンが最速の32秒8をマークした2頭が、9着と11着。ただでさえ先行有利のDコースで、逃げた馬が33秒5で上がっては、後続は為す術がなくて当然だった。

 “逃げたこと”が最大の勝因であるスマートレイアーは、強烈な決め手を使うイメージも強い馬だが、先行して勝った3走前の米子Sのイメージが鞍上にあったと思える。出して好位を取りに行ったら、結果的に何も来なくてハナへ、ということだろう。ただ、馬のデキは抜群に良かった。ラジオ日本の実況席で返し馬を見たが、“どれが良く見えますか”とのアナウンサーの問いに真っ先に取り上げたのがこの馬だった。今回のように、レースの流れに応じて自在に立ち回ることができれば、目標のヴィクトリアマイルはおろか、安田記念でも注目できる馬。良馬場で1分34秒1の平凡なタイム、恵まれた逃げ切り、と軽く扱っては痛い目に遭いそうだ。

スマートレイアー

並み居る男馬たちを完封したスマートレイアー(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着エキストラエンドも、絶好位で立ち回ることができたのが好走の因だ。枠順も良かったが、出して行ってもしっかりと末脚を使えることを示した形。マイルのGIIIレベルなら、今後も常にマークが必要となる。

 3着マイネルアウラートもまた、流れに恵まれたとは言えるが、2番手で上手に折り合って自分で競馬を作れる強味を遺憾なく発揮したもの。脂が乗ってきていることも確かで、今後も人気にならないタイプではあるが、どこかで穴をあけそうだ。

 ダノンプラチナは、出遅れて後方のしんどい位置から、よく追い上げた4着だが、直線で一旦は2着確保かと思わせながら伸びを欠いたあたりが、先を見据えて仕上げに余裕があった分と言えるだろう。目標の安田記念へ向けては、けっして悲観すべき内容ではない。

 5着テイエムタイホーは、前述したように内枠を引けていればハナを切ることができたかもしれない。好位で、これまたスムーズに折り合えていたが、そもそも速い上がりを使える馬でもなく、今日の流れではこれが精一杯だったか。

 ダッシングブレイズは、外を回っては届かぬ位置取りだったが、鞍上には、内からスコンと抜けた2走前紅葉Sのイメージがあったと思える。ただ、当時は馬群がバラけて内がポッカリ開いたものだったのに対し、今回は1頭分のスペースがあるかないかのギリギリのところ。人気を背負っていたこともあり、果敢に挑んだ鞍上は責められないだろうが、馬にはかわいそうだった。抜けていれば悪くとも2着はあったはずであり、幸いにして馬は無事とのことだが、精神面でのダメージが心配される。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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