新スプリント王・ビッグアーサーの誕生に、惜しみない拍手を

佐藤直文 レース回顧
高松宮記念
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耐えて忍んでGI制覇 ビッグアーサー

 改修後は、タフな馬場というイメージが定着している中京の芝だが、良馬場だった2013年のロードカナロアでさえ1分8秒1という決着タイムだった。ただ、今年は改修後初めてとなる仮柵設置のBコースでの施行となり、良馬場なら1分7秒台の決着になるのでは、という見立てで予想も組み立てたのだが、前日の1000万特別で1200m1分7秒4のレコードタイムがマークされたのを皮切りに、当日は500万でコンマ1秒更新。さらには直前の2200m戦ではJRAレコードが出たほどで、よもやこれほどの馬場になるとは想像できなかった。

 レース序盤は、逃げ宣言をしていたミッキーアイルを制してローレルベローチェがハナへ行き、そこに外からハクサンムーンが加わる形。テンの3ハロン32秒7という数字は、改修後のみならず過去10年を遡っても最速であったが、今日の馬場を考えれば、前がこれだけのハイラップを刻んでも追い込み馬が届く展開にはならず、好位で流れに乗った馬に軍配が上がったのも当然の結果と言えよう。

 ビッグアーサーは、上位3頭を見る理想的な形で流れに乗れていたが、その競馬ができる枠順も良かったか。直線でも馬場のいい外目にへ楽に持ち出すことができ、一旦は抜け出した2着馬を余裕の手応えで捉える完勝劇であった。1年前は同日に組まれていた岡崎特別で、エアロヴェロシティとコンマ1秒差の時計で快勝した馬。陣営にはその時点で“来年こそは”の思いがあったようだが、以降は逆風にも耐え忍びながら、ようやく掴んだ追い風に乗り切っての勝利に、惜しみない拍手を贈りたい。

ビッグアーサー

余裕のある完勝劇で1番人気に応えたビッグアーサー(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ミッキーアイルは、ハナには行けなかったものの、自分のリズムを守って、力は存分に出し切れていた。今日のところは勝ち馬を褒めるべきであり、距離的にはむしろと思えるマイルの安田記念でも有力の一頭となるはずだ。

 3着アルビアーノは、さすがに今日のペースでは中団追走がやっとの形だったが、最後は馬群を割って脚を見せた。今回に限ってはスプリント戦の経験の差も出たように思えるし、力は十分に示したと言える。

 4着アクティブミノルは、低評価に反発する大善戦と言えるが、そもそも昨秋はGIIのセントウルSを逃げ切っている馬。逃げなくても競馬ができたという点でも大きな収穫があり、この結果をフロック視するわけにはいかないだろう。

 5着エイシンブルズアイは、後方から前走同様によく脚を伸ばしていたが、今日の相手ではここまでか。ただ、今後もGIIIレベルなら常に上位を争えそうだ。

 スノードラゴンは、元々少し時計のかかる馬場が理想のタイプ。ここまで速い時計の決着になっては厳しかったように思える。ウリウリも、今日の流れでは追走に苦しんでいたように思えるが、3着馬とはほぼ同じ位置取りから伸びてこなかったあたり、やはり前半で脚が溜まらないと爆発的な末脚を発揮できない馬なのだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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