今後の伸びしろも十分 ノボバカラが千四で着差以上の完勝

佐藤直文 レース回顧
プロキオンS

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1400mならベット増額 ノボバカラが待望の中央初タイトル

 プロキオンSは、水の浮いた状態だった前日から、ほどよく乾いて脚抜きのいいダート。こういう馬場では、テンの3ハロンが34秒1、1000m通過が57秒2というハイペースでも前が止まらない。上位3頭は人気馬同士の決着となったわけだが、道中の位置取りの差が着順に現れたと見ることもできよう。

 ノボバカラは、もともとハナにこだわるタイプではなく、外枠からうまく好位を取って流れに乗れていた。直線では早目に抜け出し、ゴール前では2・3着馬の猛追を受けたが、後ろから馬が来たらもうひと伸びしており、着差以上の完勝と言えた。3月の中京から1400mで3連勝を飾り、1200mの前走こそハナ差負けだったが、やはりこの距離に戻れば話は別だった。4歳という年齢を考えても、まだまだ上を目指せる馬だろう。

ノボバカラ

4歳馬ノボバカラ(桃帽)がニシケンモノノフなどの追撃を振り切って優勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ニシケンモノノフは、序盤こそ意識的に出して行ったが、途中から速い流れに付いて行けなかった。それでも、直線では一旦はまとめて差し切るかの勢い。今日のところは相手が悪かっただけで、この馬の力は十分に示しており、これまた1400mのスペシャリストぶりを発揮したと言える。

 3着キングズガードは、出負けして上位からかなり離された位置取りだったが、直線は開いたインをすくってよく伸びた。重賞でも力が足りることを示す内容ではあったが、もう少し流れに乗って運ぶ形を身に付ける必要があろう。

 4着ブライトラインは、今日のような速い流れにも対応し、最後まで渋太く伸びていた。1年もの長いブランクを経て完全に立ち直っており、7歳でもまだまだチャンスはある。

 5着グレープブランデーも、4着馬と同じ形の競馬。58キロを背負った8歳馬としては頭の下がる走りであり、フェブラリーSを勝った往年の力は望めないにしても、これまたまだ頑張れそうだ。

 後方待機組ではカフジテイクが目立つ伸びを見せていた。3着馬同様、もう少し流れに乗って運べるようになれば、いずれは重賞でも勝負になる馬だろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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