理想的な競馬でアルバートドックがV サマー2000→秋にも期待
もう本物 アルバートドックが夏の王者へ早々とリーチ
長く夏の福島開催を締めくくるレースとして親しまれてきた七夕賞だが、当時は最終週の荒れ馬場で差し馬有利の傾向が強かった。しかし、開催日程の変更により2週目に移った3年前から傾向も激変。高速決着が続いて、先行有利のレースへと生まれ変わった印象を受ける。当然、今年も予想は先行馬を中心に組み立てたのだが、前日までの降雨で近年に比べて荒れた馬場は、先行勢には厳しかったと言えるかもしれない。とはいえ、当日のピーカンで良馬場へと回復し、前半1000mも57秒9のハイラップであったのなら、決め手に長けたディープインパクト産駒のワンツー決着も当然の帰着だった。
アルバートドックは、課題のスタートを決めて中団よりやや前という位置取りで、理想的な競馬ができた。テン乗りだった戸崎圭騎手だが、“こう乗れば勝てる“と、思い描いた通りのレース運びだったように思える。4走前の小倉大賞典は、インを巧くすくっての勝利だったが、57キロを背負って今日のような立ち回りができたのなら、もう本物と見ていい。サマー2000王者のみならず、秋への期待も高まるレースぶりだった。
2着ダコールは、勝ち馬を追うようにして進出し、これまた最高に近いレース運びであった。トップハンデ58キロを背負い、3着以下に3馬身差なら負けて強し。まだまだ目が離せない8歳馬だ。
3着オリオンザジャパンは、目下のデキの良さと軽ハンデでマークしていた馬だったが、これが芝2戦目とは思えぬ伸びを見せた。惜しむらくは、もう少し時計がかかってほしかったところだろうが、全くフロック視はできない走りだった。
4着マイネルラクリマは、近走が大敗続きで手を出しずらい馬であったが、最後まで渋太く脚を伸ばしたあたり、さすがにこれまで福島では凡走のないコース巧者ぶりを示したと言える。これまた8歳馬だが、ローカルGIIIならまだチャンスがあるかもしれない。
5着クリールカイザーも、同様に近走が冴えなかったが、先行馬には厳しい流れをよく粘ったものであり、地力を示す内容だった。
4月に同舞台の福島民報杯を勝ったことが評価されて人気になったシャイニープリンスだが、枠なり終始外を回らされる形だったとはいえ、福島民報杯とは馬場も流れも相手も違っていたと言うことか。同じことが同レースで3着のヤマニンボワラクテにも言えるが、こちらは今回の流れが厳しすぎた。
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