無尽蔵のスタミナ ダイヤモンドSはフェイムゲームの独壇場

佐藤直文 レース回顧
ダイヤモンドS

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年齢もハンデも不問 フェイムゲーム

 このレース以外に設定のない3400mのマラソンレース。長距離戦では、いわゆる“ド・スロー”になっての瞬発力勝負になることも珍しくないが、このレースに限ってはどんなペースになってもスタミナが問われる。人間のアスリートにも言えることだが、年齢を重ねることで瞬発力が落ちることはあっても、スタミナはそう衰えるものではない。勝ち馬の走りはそれを証明したように思う。

 フェイムゲームは、離して逃げた馬を除いてはスローな流れを、序盤は後方でジックリ構える形。ようやくペースが上がった残り1000mあたりからジワジワとポジションを上げて行って、直線を向いたところではもう前は射程圏だった。58.5キロを背負っていても、あとは安心して見ていられた着差以上の楽な勝利。途中で仕掛けずに馬を動かして行くルメール騎手のテクニックもさることながら、3年ぶりでの3度目の制覇で、馬自身も無尽蔵のスタミナを改めてアピールしたと言える。

フェイムゲーム

3度目のダイヤモンドS制覇を達成したフェイムゲーム(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着リッジマンは、前走の万葉Sに続いて52キロの軽ハンデを生かし切った形だが、短距離志向のスウェプトオーヴァーボード産駒でこれだけのスタミナを見せるとは。活躍の場が限られるとはいえ、この路線では若い5歳という年齢を考えても、今後が楽しみになった。

 3着ソールインパクトは、このスローペースでもスムーズに折り合えて、前走とは一変の走り。右回りよりも左回りの方がいいのかと思えたが、軽量の2着馬との差はともかくとして、勝ち馬との底力の差は決定的だったか。

 4着リッチーリッチーは、2週目の3角過ぎから後方のインで絶好の手応えだったが、その後にスムーズさを欠いてしまったもったいない競馬。格上挑戦ながら恵まれたとは言えない54キロのハンデや、転厩初戦での手探り調整だったことを考えれば、力は示している。

 5着プレストウィックは、長距離重賞では勝ち馬に次ぐ実績を持っていたことを考えれば案外の内容。小回りコース向きなのかもしれない。

 ホウオウドリームは、後方から勝ち馬を目標に運んでいたが、勝負どころからは付いていけなかった。仕上りも一息だった印象を受けたが、まだこれからの馬だろう。同じ4歳馬レジェンドセラーにも同様のことが言えるが、長距離戦における操作性がまだ身に付いていなかった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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