後続幻惑の逃げで横山典リオンリオン ダービーでの秘策は?

佐藤直文 レース回顧
青葉賞

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それ相応の能力あり リオンリオン

 過去10年の勝ち馬のうち6頭までが、上がり3ハロンで最速の数字をマークしており、残る4頭中3頭も2番目の数字。そういうデータが示す通り、一にも二にも瞬発力がモノを言う性格のレースだが、この意識はおそらく有力馬のジョッキーにも共通してあったのではないだろうか。そして、それを逆手に取ったようなベテランの逃げに、後続がまんまと幻惑されたように感じた。

 リオンリオンは、スタートを決めてハナを主張すると、淀みないラップを刻んで前半1000mを59秒9で通過。稍重の馬場を考えれば明らかに速いペースだったが、これを好位から追いかけていた馬たちが動けなかったのは当然として、中団から後方の馬たちも縦長の展開の中で成す術がなかったと言える。とはいえ、この舞台での逃げ切りは馬にそれ相応の能力がないとできない芸当であり、鞍上が2度騎乗してその力を知っていたからこそであろう。本番でも同じ競馬でまんまと、というシーンは考えづらいが、今度はどんな秘策を練ってくるのかが興味深い。

リオンリオン

最後はハナ差ランフォザローゼスを押さえてリオンリオン(白帽)が逃げ切りV(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ランフォザローゼスは、勝ち馬を終始して視界に捉えながらのレース運びだったが、前述したようにそれなりの流れだったことと、瞬発力のある後続のライバルたちの意識もあったが、結果的には仕掛けが少し遅れてしまったと言える。ただ、自身も厳しい流れの中で最後まで脚を使ったあたり、自在性には長けており、これは本番でも勝ち馬以上に期待を抱かせる内容だった。

 3着ピースワンパラディは、先行グループから離れた中団の前目でキッチリと折り合いが付いて運べていたが、直線でもそれほど色気を持って追われていなかったのは、前が止まる流れだと鞍上も感じたからなのか。ダービーの出走権は獲得できなかったものの、先々は重賞戦線で活躍できる馬だろう。

 4着キタサンバルカンは、直線を向いたところでもまだ後方3番手だったが、そこからモノ凄い脚を使っていた。通常の年の通常の流れであれば、おそらく差し切っていたと思えたが、最後も脚は余っていただけに、デビューから連続騎乗していた北村宏騎手が怪我のために手綱を取れなかったことも痛かっただろう。

 5着サトノラディウスは、枠なりに中団の外を回る形で、直線でもしっかりと脚を伸ばしていたが、現状ではもうワンパンチ足りない印象を受けた。

 アドマイヤスコールは、好位追走も終始掛かり気味。折り合い面も含めた気性面での成長が待たれるところだ。ウーリリもまた、直線で追い出されてからフラフラして幼い面を見せていた。素材の高さに疑いのない馬だが、まだまだこれからだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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