平成最後にふさわしいフィエールマン エタリオウ最後方は「仕方のない面も」

佐藤直文 レース回顧
天皇賞(春)

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八大競走完全制覇の鞍上も完璧 フィエールマン

 平成最後の天皇賞。前半の1000mは59秒8という速めの通過ラップだったが、スタンド前を通過して1コーナーあたりからガクンとペースがダウンした。そのまま緩んだペースが再び上がったのは残り800m標識の手前あたりから。そういった緩急のペースに惑わされずに、勝負どころまで中団でジッとしていた上位2頭は、ほぼ完璧なレース運びだったように思う。

 フィエールマンは、前述したようにペースに惑わされずに中団で折り合って運び、3コーナーを過ぎての勝負どころから軽く仕掛けられると、ほぼ馬なりのまま4コーナーで先頭に。これをマークしていた2着に外から馬体を併せられ、一旦は前に出られるシーンもあったが、2着馬よりワンテンポ後に追い出されてからは、相手が伸びた分だけ自分も伸びてマッチレースを制した形だ。並んでの勝負強さは、これぞまさしく平成を締めくくるチャンピオンの名にふさわしいと言えるが、これで八大競走完全制覇となった鞍上もまた、締めくくりにふさわしい完璧な騎乗であった。

フィエールマン

平成最後の天皇賞を制したフィエールマン(橙帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着グローリーヴェイズは、道中で勝ち馬を前に見ながら、これまた無駄に動かない競馬。勝負どころでの勝ち馬の仕掛けにもスッと反応し、直線を向いてからは追う者の強みを生かしたかに思われたが、この形で負けたのは相手の強さを褒めるべきだろう。

 3着パフォーマプロミスは、自分の競馬に徹して、直線では一旦前に出た4着馬を渋太く差し返したもの、ステイゴールド産駒らしく、年齢を重ねてもまだ進化が止まらないと感じさせるレースぶりで、条件さえ揃えばまだまだチャンスはある馬だ。

 4着エタリオウは、序盤で離れた最後方というのは仕方のない面もあったが、残り1000mで仕掛けられてから前のペースも上がったことで、勝ち馬に馬体を併せるシーンを作れず、逆に直線では突き放されてしまった。ペースが緩んだ中盤のうちにポジションを上げておきたかったところだろうが、そういった自在性を身に付けることが今後の課題かもしれない。

 5着ユーキャンスマイルは、勝負どころでも脚を温存して直線に賭ける形で、これはこれで自分の競馬ができたと言えるが、追われて内にササっていたあたり、まだ馬が完成されていない感を受けた。まだこれからの馬だろう。

 クリンチャーは、ペースが上がった勝負どころでインからポジションを上げられなかった形だが、直線でもほとんど伸びなかったあたり、3着だった昨年の状態に戻っていなかったのだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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