叩いて叩いてグルーヴィット 3着プリモシーンは「内容自体は…」

佐藤直文 レース回顧
中京記念

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完成途上の身で古馬撃破 グルーヴィット

 この時期のマイル重賞として生まれ変わった2012年以降、昨年までの7年間で3歳馬の出走は僅か4頭にとどまり、馬券対象にもなっていないレースだったが、今年は3頭が参戦したうち2頭でのワンツー決着となった。3頭はいずれも前走がNHKマイルCからの臨戦だったが、2ヶ月半という適度なレース間隔や、ハンデの恩恵が大きいことを考えれば、来年以降もこのパターンの3歳馬の参戦が増えるのではないだろうか。

 グルーヴィットは、序盤から気合を付けられながらの中団追走で、4コーナー手前から鞍上のステッキが入るほどのズブさも見せながら、直線でも叩いて叩いて最後まで渋太く脚を使った形。10着に終わったNHKマイルCでは直線の不利がなければ、もっと際どい勝負になっていたというのが大方の見解だった馬であり、ハンデの恩恵があったとはいえ、まだキャリアは5戦目という明らかに完成途上の身で古馬を撃破したのだから、これはこの先がかなり楽しみになったと言えるだろう。

グルーヴィット

3歳馬2頭の争いは奥の赤帽グルーヴィットが制した(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着クリノガウディーは、道中は勝ち馬を前にみるポジションで運び、直線でも外から馬体を併せてゴール前の脚勢では上回っていたが、僅かに届かなかった。春3戦は2歳時の実績を考えても物足りない競馬が続いていたが、控えて差す競馬で結果を出したことは大きな収穫であり、エンジンが掛かるまで少し時間がかかったことを考えれば、直線が長ければ長いほどいいタイプではないだろうか。

 3着プリモシーンは、1000m通過58秒0という馬場を考慮すれば速目の流れを好位で追走し、直線でも残り1ハロン過ぎでは一旦先頭に立つ形。牝馬で55.5キロという実質のトップハンデを背負っていた上に、けっして今日のような馬場を得意としてはいないことを考えれば、内容自体は悪くなかったと言えるだろう。

 4着ミエノサクシードは、外からでは差しづらい馬場もあってか、直線では馬群を縫って前を追い詰めたもの。惜しむらくは少し後ろから運び過ぎたと言えるが、ここまで来たのは力を付けている証拠であり、牝馬重賞ならもうどうにかなっていいレベルだ。

 カテドラルは、中団での追走も余裕が見られず、脚も十分に溜めることができなかった印象。ここ2走のようにジックリと脚を溜めるメリハリの利いた競馬が理想であり、そういう意味でも今日の馬場は合わなかったかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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