恐れ入った! キズナ産駒ビアンフェに「もしかしたら」の期待

佐藤直文 レース回顧
函館2歳S

スピードの違いで圧勝劇 ビアンフェ

 世代最初の重賞ということもあってか、早熟性も含めた現時点での完成度が問われ、なかなか勝ち馬が大成しないレースでもあるが、1分9秒2の好タイムと勝ちっぷりの鮮やかさ、そして500キロを超える馬体からは将来性も感じさせる今年の勝ち馬には、もしかしたらの期待をかけてもいいだろう。

 そのビアンフェ。スタートは一完歩ほど出遅れたが、二の脚が抜群に速く、最内枠も利してアッという間にハナを奪った。前半3ハロンは33秒6と、レース水準を上回るラップだったが、走りには余裕があり、まさにスピードの違いで押し切った形だ。半姉ブランボヌールが4年前にこのレースを制し、母もこのコースで2勝という血統背景から、舞台適性の高さも抜きん出ていたことは確かだが、直線は独走で最後は流しての圧勝劇には恐れ入った。

 2着タイセイビジョンは、出遅れに加えて序盤では追走に苦労していたが、上がりはメンバー最速で目立つ末脚を見せた。ただ、1200mではいかにも忙しく、距離が延びてのタイプだろう。

 3着プリンスリターンは、好位を手応え良く追走し、勝ち馬には引き離されたものの渋太く脚を使っていた。ソツのないレース運びができるセンスがあり、函館の馬場も合っているのだろう。

 4着パフェムリは、直線で前が壁になり、内に進路を見つけて差を詰めたもの。少し惜しまれる競馬だったが、これまた距離が延びて良さそうなタイプだ。

 5着レッドヴェイパーは、出遅れが致命的で、ジョッキーも少し焦ったのか道中もスムーズに運べなかった。ただ、それでも掲示板は確保したあたりが能力の高さであり、先々に期待したいところだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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