UAEダービー馬を輩出、南アフリカの競馬とは?
【馬声人語】
先週末のドバイミーティング。日本から3頭が参戦したUAEダービーだが、勝ったのは南アフリカから参戦したムブタヒージ。我々には馴染みの薄い南アフリカの競馬とは、一体どのようなものなのだろうか。
実は200年以上の歴史を持つ南アフリカの競馬
南アフリカでの競馬の歴史は相当古い。1797年にイギリスの占領地、西ケープ州において行われたのが当地での競馬の始まりとされているから、200年以上の歴史があることになる。日本で競馬が始まったのが1860年頃だから、それよりも古いわけだ。欧米人が競馬を持ち込んだという点については、日本も南アフリカも同様ではあるが、南アフリカの場合は植民地の歴史でもある。南アフリカの競馬の発展を考えるなら、無視できない要素ではあるが、この辺の話は世界史の領域になってしまうので割愛する。南アフリカ最古の競馬場はケープタウンの近郊に建設されたケニルワース競馬場で、建設されたのは1833年のこと。また、馬産も盛んに行なわれており、ピーク時は年間約4000頭ほど、現在は年間約2000頭ほどが生産されている。競走馬の輸入も盛んで、北米や欧州、オーストラリアなどから数多く競走馬が持ち込まれており、先のムブタヒージもアイルランド産馬である。
意外とあった日本の競馬との接点
日本との時差は7時間。日本からの直行便は無く、飛行機での所要時間はおよそ20時間ほどかかるため、海外旅行でもそうそう行く機会は無いのではないだろうか。思い付くのはサッカーのW杯の時だが、治安のことも考えると、現地に行った日本人は相当なサッカーファンと報道関係者くらいだろう。それでも日本の競馬との接点はあるもので、フジキセキがオーストラリアにシャトル種牡馬として繋養されていた時の産駒である、サンクラシークが南アフリカに渡って大活躍。当地でGIを3勝し、牝馬ながらドバイシーマクラシック(2008年)も制してみせた。また、2009年には青葉賞・毎日杯を勝ったアドマイヤメインが同国に輸出され、GI入着馬を出すなどまずまずの成績を収めている。
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