【フィリーズレビュー回顧】交わせなかったコラソンビート　鮮やかエトヴプレは「距離も勝因」

内有利の馬場を追い風に　エトヴプレ

　開幕からの２週は雨の影響を受けた阪神だが、３週目はクッション値も標準の良馬場に。前半３ハロンが３３秒８というハイペースのラップでも、内有利のトラックバイアスが逃げ切り決着を生んだと言える。

　そのエトヴプレ。前述したように速い流れではあったが、押し出されるような形でハナを切ったことで、リズム良く走ることができた。直線を向いて断然人気の２着馬が並びかけてもまだ余力は十分に残っており、最後は突き放し気味の完勝。これまで５戦全てが１２００ｍ戦だったが、むしろ１４００ｍがベストの印象を受ける内容で、今後の選択肢が拡がる一戦となったように思う。ただ、本番はあと１ハロンの延長を仮にこなせたとしても、相手が強くなる点で厳しいかもしれない。

11番人気の低評価を逃げ切りＶで覆したエトヴプレ(左)

　２着コラソンビートは、序盤に少し行きたがったのを巧く宥められて絶好位のインに収まった。メンバー的にも勝たなければならないところだったが、今日は相手の渋太さを褒めるべきで、フックラと見せた馬体からも、次へ繋がる一戦となったように思う。

　３着セシリエプラージュは、勝負どころから馬群の外へ進路を取り、４コーナーでは大外を回る形。トラックバイアスを味方に付けた上位２頭とは対照的な競馬だったが、ラストの伸びは目を惹いた。本番へは馬体を維持できるかも鍵となるだろう。

　４着バウンシーステップは、出負けしてポジションを取りに行ったところで力むなど、十分に脚を溜めることができなかった分、最後に伸び負けてしまった。

　シカゴスティングは、好発を切って一旦はハナに行く構えを見せながらも控えたことが裏目となった印象。結果的には逃げた馬よりも２番手集団が息の入らない厳しい展開になっての失速だった。