【アイビスSD回顧】モズメイメイら上位3頭に“共通点”が… コース適性以上に「問われたモノ」

佐藤直文 レース回顧
アイビスサマーダッシュ

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脚質転換が功を奏し ド根性娘モズメイメイが鮮やかに復活

 レコードが連発した開幕週の馬場としては平凡な55秒3の決着タイムだったが、これはレベルの問題ではなく直線が向かい風となったためであろう。上位3頭はいずれも直線競馬が未経験だった重賞勝ち馬。コース適性以上に底力が問われる一戦となったように思える。

 モズメイメイは、脚を溜めて運んだ前走の北九州記念で脚質転換が板に付いたことをアピールしていたが、今回は外目の枠もあってかある程度ポジションを取りに行く形。ただ、好位馬群で脚を溜めることができ、残り300mあたりで先団の内に進路を切り替えてからは鋭い伸びを見せて前を捉え切った。前走もそうだったが、勝負根性に長けており、前を追う形で持ち味が生きることを改めて証明したと言える。

モズメイメイ

3番人気の4歳牝馬モズメイメイ(橙帽)が昨年葵S以来の重賞制覇

 2着ウイングレイテストは、好位で流れに乗って残り1ハロンで一旦は先頭に立ったが、最後は勝ち馬の強襲に屈した形。ただ、59キロを背負っていたことを考えても、強さは十分にアピールできたか。

 3着テイエムスパーダは、序盤は内から主張してきた馬にハナを譲るなど、スピードに任せてではなく自分のリズムで走れたことが好走の因。もちろん、外目の枠も良かった。

 4着ディヴィナシオンは、いつもよりも出して行ったのはこれまた外枠のためか。最後も2着馬を目標によく差を詰めて力は出し切った。

 5着メディーヴァルは、逃げた馬の直後で少し進路が開かないシーンもあったが、絶好の大外枠を生かし切った形。

 チェイスザドリームは、数字ほど太くは映らなかったものの、それでもプラス20キロの馬体は重かったと言える。ファイアダンサーも、全く脚を使うシーンのない走りで、これまた状態面に問題があったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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