【エリザベス女王杯回顧】スタニングローズ“完勝劇”の要因は… ゴチャつき敗戦レガレイラは「スムーズでも2着」

佐藤直文 レース回顧
エリザベス女王杯

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2年ぶりに咲いた大輪の薔薇 スタニングローズが鮮やかに復活

 前半1000m通過が59秒6。けっしてスローな流れではなかったが、上位を占めたのは中団から前目で運んだ馬たちだった。そして勝負を分けたのも仕掛けのタイミング。実力馬がこれだけ完璧に立ち回ったのであれば、他馬に付け入る隙はなかった。

 そのスタニングローズ。好位から自分のリズムで流れに乗り、3~4コーナーの勝負どころでいち早く動いての早目先頭。瞬発力勝負では分が悪いものの、いい脚を長く使える利点を生かした完璧な立ち回りだった。秋華賞以降は結果を出すことができないでいたが、前走のクイーンSは6着ながら中身のある競馬で復調の兆しを見せていた馬。目標へ向けて最高の状態に仕上げた厩舎の力と、それに応えて見事に操った鞍上の巧さが、完勝劇をもたらしたと言える。

スタニングローズ

一昨年の秋華賞以来の勝利であげた3番人気のスタニングローズ

 2着ラヴェルは、近走内容からここまで変わるのはなかなか予測できなかったが、2歳時のアルテミスSでリバティアイランドに土を付けたのはフロックでなかったことを、ようやく証明する走りだったか。

 3着ホールネスは、好位で流れに乗り、勝ち馬の仕掛けに付いていくことはできなかったが、しっかりと脚を使っていた。この馬としては強行軍となる中2週だったことを考えても、価値のある内容だった。

 4着シンリョクカも、前走同様に持ち前の機動力を生かす競馬。現状での力は出し切れたように思う。

 5着レガレイラは、この馬としては前目のポジションで追走できていたが、直線で外へ持ち出すことができず、ゴチャついてしまったのが痛かった。ただ、そこをスムーズに捌けていたとしても2着までだったろう。操縦性の課題をクリアして自在に動けるようにならないと、今後も厳しい戦いが続きそうだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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