【東京新聞杯回顧】4着ブレイディヴェーグは「今日のデキでは…」 パドック時点で見えた勝ち馬との“差”

佐藤直文 レース回顧
東京新聞杯

マイル路線に新星誕生 末脚に磨きがかかったウォーターリヒト

 前半の4ハロンが46秒1という適度な流れだったが、途中から後続を離し気味に逃げた馬が3着に残る展開。先に抜けた2着馬を目標にできたとはいえ、これで4戦連続となるメンバー最速の上がりで差し切った勝ち馬の決め手を称賛すべき一戦だった。

 そのウォーターリヒト。パドックでも抜群の気配で目下の充実ぶりを窺わせていたが、更に磨きがかかった末脚を披露しての差し切り勝ち。近走よりも相手のレベルが上がったここで結果を出したという点でも、先々が楽しみなるレースぶりだった。定年を間近に控えた河内師にとっても、最高のプレゼントとなったように思う。

ウォーターリヒト

今回も末脚炸裂のウォーターリヒトが初めての重賞タイトルを獲得

 2着ボンドガールは、いつもより前目で折り合いを付けて上手な立ち回り。賞金を加算できたという点でも、この先の目標に向けて収獲のある内容だった。

 3着メイショウチタンは、シンガリ人気での大激走。単騎で行けたのが良かったのだろうが、8歳にしてこの走りには頭が下がった。

 4着ブレイディヴェーグは、プラス14キロの馬体重が示す通りの余裕ある仕上げ。最後は伸びていたものの、今日のデキで勝てるほど甘いメンバーでもなかった。

 5着マテンロウスカイは、離れた3番手から上手に立ち回ったもの。59キロの斤量を考えても、評価すべきだろう。

 サクラトゥジュールは、道中で頭を上げるなどスムーズに折り合うことができなかった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。