【阪神大賞典回顧】「盾でも有力」サンライズアース 4着ショウナンラプンタは「距離以外に敗因」

佐藤直文 レース回顧
阪神大賞典

無尽蔵のスタミナで サンライズアースが春の盾へ名乗り

 前半1000mが63秒1という緩い流れでの、3分3秒3という決着タイムはかなり優秀。もちろん、2着以下はそこから1秒以上差を付けられたものであり、勝ち馬の強さが際立つ一戦だった。

 そのサンライズアース。馬の行く気を無理に抑えることなくハナへ立ったが、ずっと物見をしながらだったもので、落ち着けたのは2着馬が向正面で前に来てからのことだったようだ。残り6ハロンから11秒台のラップが続いたスタミナ勝負も望むところで、持ち味を最大限に生かしての6馬身差圧勝劇であった。格下の身ではあったが、すみれS勝ち、ダービー4着という3歳春の実績を考えても何ら見劣りしないポテンシャルの持ち主であり、天皇賞でも有力の一頭に浮上したと言える。

サンライズアース

4番人気のサンライズアースが後続に6馬身差をつける圧勝劇

 2着マコトヴェリーキーは、初の3000mもどこ吹く風と言わんばかりの粘り腰。ステイヤーとしての資質を存分にアピールしてみせた。

 3着ブローザホーンは、ペースが上がった勝負どころから追走に苦しんだあたり、まだ復調途上だったと見ていいが、次へ向けての期待を抱かせるレースぶりだったか。

 4着ショウナンラプンタは、距離云々よりも小回りのコースへの適性が一息ではないか。そういう意味では、京都外回りの本番での変わり身は見込めそうだ。

 5着ヴェローチェエラは、最後に止まったのは、距離と坂のせいだろうか。

 ワープスピードは、絶望的な差を付けられたわけではないが、やや期待外れの内容。状態面が伴っていなかったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。