スプリント界も世代交代 力を付けたセイウンコウセイが戴冠

佐藤直文 レース回顧
高松宮記念

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スプリント界も世代交代 セイウンコウセイが雨に笑う

 中京競馬場は朝から断続的に雨が降る生憎のコンディションで、発表は稍重であったが、かなり重に近い状態だった。見た目にも荒れているインコースが悪いのは確かだとしても、馬場の外目もけっして良いわけではなく、コースロスを差し引いて余るほどではなかった。内目の枠からロスなく運んだ馬が上位を占めたのも頷ける結果だろう。

 セイウンコウセイは、好スタートを決めて、行きたい馬を行かせる形で好位をキープ。4コーナーではスムーズに馬場の中ほどに持ち出して、道悪にもがく馬たちを尻目に鮮やかに抜け出して見せた。時計のかかる馬場や展開など、全てを味方に付けての勝利とはいえ、自分の競馬を確立して力を付けたことも確かな事実。秋には、今回出走できなかった強敵たちも揃うことになるだろうが、良馬場でも互角に戦えるはずだ。

セイウンコウセイ

4番手追走から直線力強く抜け出したセイウンコウセイ(赤帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着レッツゴードンキは、道悪自体は苦にする素振りは見せなかったものの、前半に置かれ気味となってしまった。枠なりにロスなく運べたことと、鞍上が腹を括ったかのようなイン差しで、GI馬の貫禄を示す伸びを見せたが、1200mは多少忙しいのかもしれない。

 3着レッドファルクスも、ロスのない立ち回りだったが、こちらは良馬場でやりたかったクチ。最後に2着馬に内から交わされたのも道悪適性の差だったと思えるが、久々でこれだけ走れば、力は示したと言っていい。

 4着ティーハーフは、枠なりに中団のインを運んで、直線では前がポッカリ開いたインで一瞬見せ場を作った。最後に力尽きたものの、上手な立ち回りでの掲示板確保だった。

 5着フィエロは、出負けして道中は後方のインで置かれ気味だったが、4コーナーで馬場の外目に持ち出されてからはよく伸びていた。もう少し流れに乗る競馬ができていれば、際どい勝負になった可能性もあり、1200mにも十分対応ができる馬だろう。

 メラグラーナは、外を回るコースロスがあったとはいえ、直線で追われてから今までになくフラフラしていたあたり、少々の道悪はこなせると思っていたが、やはり敗因は馬場と見るべきだろう。シュウジは、道中もリズム良く運べていて直線を向いても手応えに余裕が感じられたのだが、ここまで大きく失速したのなら、気持ちの面に問題があるのかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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