レシステンシア「ウオッカ超え」の価値 6着リアアメリアの巻き返しは…

佐藤直文 レース回顧
阪神ジュベナイルフィリーズ

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ウオッカ超えの快レコードで 2歳女王はレシステンシア

 前半3ハロンが33秒7、半マイル通過が45秒5という数字は現行の外回りコースで施行された2006年以降でもちろん最速のラップであったが、同じ舞台の桜花賞でも滅多にお目にかかれない数字だ。唯一、2014年に33秒8-45秒3という今回のラップに近い年があるが、この時の勝ち馬は4角ではシンガリだったハープスターであり、とても前が残る流れではない。2006年にウオッカがマークして以来、長年破られることがなかった基準タイムを更新してのレコードは、目下の阪神の高速馬場を割り引いたとしても、自身が逃げてラップを刻んだという点で相当な価値がある。

 そのレシステンシア。抜群のスタートからスッとハナへ立ち、終始リラックスした走りでの逃げだった。これだけのハイペースで飛ばしながら、最後まで脚取りに乱れがなかったのは、それだけストレスのない走りができたからであろうが、上がりも3ハロンもメンバー最速の数字だったのだから、これでは後続も成す術がなかったろう。距離が延びて、控える形の競馬で、と未知数の部分はあるとはいえ、少なくとも同舞台の桜花賞で、今日のメンバーに逆転を許す可能性はかなり低いと見ていい。

レシステンシア

無傷の3連勝で女王の座についたのは4番人気のレシステンシア(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着マルターズディオサは、好位で前を見ながら運んでいたが、この位置でも並みの馬なら馬群に沈んで不思議はないハイラップであり、勝ちに行く競馬で2着を守ったことは評価すべきだろう。

 3着クラヴァシュドールも、中団で流れに乗り大外を回って前を追い詰めたもの。最後に2着馬を捉え切れなかったのは、コース取りの分もあったろうし、この馬の力は出し切れたように思う。

 4着ウーマンズハートは、2着馬と同じような位置取りで崩れなかったことは評価できるが、直線で伸びが一息だったのは、プラス14キロの馬体がやや余裕残しだった分もあるだろう。

 5着ヤマカツマーメイドは、枠なりにインをロスのない立ち回りができたことで踏ん張れた形。これまた現状の力は出し切っている。

 リアアメリアは、後方からでも自身のラップは今までに経験したことのない速さだった。直線でそれなりの脚は見せたが、今日のところは仕方なく、これを今後の糧とすることができれば、まだまだ巻き返しの機会はあるはずだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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