プリモシーンは着差以上も 複数の騎手がコメント「今の東京は馬場が硬い」

佐藤直文 レース回顧
東京新聞杯
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ミルコのエスコートで完全復活 プリモシーン

 前半3ハロンが34秒7というのはけっして遅い数字ではないものの、これは離して逃げた馬のラップであり、2番手以降の馬たちにとっては緩めのペース。ある程度のポジションやロスのない立ち回りが要求されるレースだったと言える。もうひとつ挙げておきたい点は、多くのジョッキーが“今の東京は馬場が硬い”とコメントしていたことだ。含水率などを見ても、今週もどちらかと言えば稍重に近い良馬場のはずだが、これは数字には表れずジョッキーにしかわからない部分なのだろう。硬い馬場への対応ができずに力を発揮できなかった馬もいたということだ。

 プリモシーンは、内枠を利して中団前目のインで流れに乗る形。いつもよりも前での立ち回りだったが、今日のペースではこの位置でも十分に脚を溜めることができた。直線では徐々に馬を外目に持ち出しながら前を捌いた鞍上の好アシストもあり、持ち前の決め手をフルに発揮しての快勝。牝馬で56キロを背負っていたことを考えても、着差以上の強さを見せたと言える。

プリモシーン

外に持ち出して伸びたプリモシーンが重賞3勝目のゴール(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着シャドウディーヴァは、初めてのマイル戦にどう対応するかが鍵だったが、位置取りこそ後ろだったものの、ペースが緩かったことで追走も楽だったか。外目の枠ながら内に潜り込んでロスなく立ち回った鞍上も巧かったが、距離の幅が広がったことで今後が楽しみになったと言える。

 3着クリノガウディーは、スタートから出して行き、これまた外枠ながら好位のインに収めた鞍上の好プレーが光った。直線でもインにこだわって一旦は先頭に立ったが、新たな面を見せたという意味でも収穫はあっただろう。まだうるさいところはある馬だが、馬体は成長を示しており、2着馬同様に今後が楽しみな4歳馬である。

 4着サトノアーサーは、これまたいつになく前で立ち回ったが、ジリジリとしか伸びなかったあたり、結果的には行き過ぎたか。やはり、脚を溜めて運ぶ形の方がいいタイプだろう。

 5着クルーガーは、離れた2番手で流れも向いたとはいえ、直線でも渋太く粘ったもの。8歳馬だが、力の衰えはなさそうだ。

 ヴァンドギャルドは、出遅れが全てだったか。最後はよく差を詰めていたが、序盤のロスを挽回するのに脚を使ってしまった分、突き抜けるに至らなかった。ただ、キャリアや年齢を考えてもまだまだこれからの馬だろう。レッドヴェイロンは、前述したように、ルメール騎手が“馬場の硬さ”を敗因として挙げていたが、それでも見せ場すら作れなかったあたりは、それ以外にも敗因を求めるべきだろう。

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佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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