サトノアーサー戸崎圭が好判断! 対して人気馬の敗因は?

佐藤直文 レース回顧
関屋記念

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2年ぶり重賞Vで復活の狼煙 サトノアーサー

 馬場は良に回復したとはいえ、1分33秒1の決着タイムが示す通りの渋った馬場で、レースの上がり3ハロンも35秒3。マイル戦らしい瞬発力勝負ではなく、スタミナや速い脚の持続力が求められる消耗戦となった。

 サトノアーサーは、本来は流れに乗って運びたかったのだろうが、外枠で立ち遅れたことにより、戸崎圭騎手が無理をせずに後方のインに入れてコースロスを抑えた形。そのまま直線を向いて、馬群がバラけたところで徐々に馬を外へ持ち出し、伸びあぐねる馬を尻目にメンバー唯一となる33秒台の末脚を繰り出して抜け出した。ベストは1800mの馬で、マイルの時計勝負では分が悪かったが、冒頭でも記した通りの時計のかかる馬場が味方した上に、戸崎圭太ジョッキーの好判断も光ったと言える。

サトノアーサー

外から豪快に伸びたサトノアーサー(左)が2年2ヶ月ぶりの勝利をあげた

 2着トロワゼトワルは、大外枠からハナを主張したが、特に絡んでくる馬もなく、この馬にとっては至極マイペース。何より気分良く行けたことで、持ち味を最大限に生かし切った形だ。

 3着アンドラステは、好位のインで流れに乗る形だったが、今ひとつ弾けなかったもの。一瞬の脚を生かすには、もう少しタメて運んでこそなのだろう。

 4着ミッキーブリランテは、道中は勝ち馬の少し前のインでロスなく乗られ、直線でも最内にこだわって差を詰めたもの。GIIIなら重賞に手が届くレベルの力は身に付けている。

 グルーヴィットは、好位で流れに乗れていたが、直線で追い出されると右へ右へとモタれる癖が出てしまった。まだ気性的な難しさが残っているか。プリモシーンは、中団から全く見せ場がなかったが、プラス10キロの重目残りが影響したのかもしれない。クリノガウディーは、テンから行きたがっていたが、このあたりは連続して1200m戦を使ったためだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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