「何故ここまで…」激走メイショウグロッケが2着に“割り込み”

佐藤直文 レース回顧
セントウルS

この秋こそはタイトルを 好発進ダノンスマッシュ

 先週から各競馬場で芝のクッション値が発表された。その数値と時計などの関係性は今後の分析課題となるが、この発表自体、ある程度クッション性を重視した馬場造りをしていく、というJRAの姿勢の現れだろう。今年は従来の阪神ではなく中京での施行となったが、野芝の開幕週にもかかわらず、1分7秒9という少し時計のかかる決着も、メンバーレベルの問題ではなかったはずだ。

 ダノンスマッシュは、前半3ハロン33秒0の速いラップで飛ばした先行勢を見る形で、好位から楽な手応えでの追走。直線を向いてラスト1ハロンで先頭に立つと、全く危なげなく押し切ったものであり、元々が鉄砲巧者とはいえ、この先のGIを見据えた上での秋緒戦としては、上々の首尾だったと言えよう。

ダノンスマッシュ

人気に応えたダノンスマッシュはこれで重賞6勝目

 2着メイショウグロッケは、枠なりに中団のインをロスなく立ち回り、馬群がバラけた4コーナーでスムーズに馬場の外目に持ち出されると、長くいい脚を使ったもの。少し時計のかかる馬場も良かったのだろうが、何故ここまで1200mを使わなかったのだろうか、と思えるほどの適性を見せた。

 3着ミスターメロディは、勝ち馬を前に見る形で目標にして競馬ができたが、勝ち馬とは対照的にこちらは久々は動かないタイプであり、それを考えても実力馬に復活の兆しが見えたと言える。

 4着タイセイアベニールは、この馬としては前目となる中団のポジションで流れに乗り、直線でもよく差を詰めたもの。GI級の馬が揃った中で、よく走っている。

 5着ビアンフェは、前2頭が速かったため3番手に控える形。その2頭がブービーとシンガリに沈んだ結果を思えばよく踏ん張ったと言えるが、少し中途半端な競馬になった感も否めず、現状ではハナへ行く形がベストかもしれない。

 シヴァージは、ハイペースだったとはいえ縦長の展開で4コーナー最後方では、メンバー最速の上がりを計時しても届かなくて当然。消化不良の競馬ではあったが、直線一本の戦法では、よほど展開が向かない限り厳しいだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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