“大差勝ち”グランアレグリア 自分の競馬できたダノン モズは「失速やむなし」

佐藤直文 レース回顧
スプリンターズS

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大差と言える2馬身差 グランアレグリア

 良馬場で1分8秒3の決着タイムが示すとおり、例年とは全く異なる馬場状態で、前半3ハロンは昨年と同じ32秒8とくれば、後方からの追い込みが決まって不思議のない流れだった。ただ、2着に2馬身というスプリントGIでは大差と言える完勝を演じた勝ち馬に関しては、いかなる展開や流れだったとしても負けなかったのでは、と思える強さだった。

 そのグランアレグリア。立ち遅れて行き脚がつかず後方から、という展開は高松宮記念をなぞるかのようだったが、直線を向いてエンジンがかかると他馬が止まったかのような脚で一気に突き抜けてみせた。最強女王アーモンドアイを降した安田記念とは異なるレースぶりで、やはり1200mは少し忙しいのだろうが、スプリント性能以前に能力そのものが違うと言わんばかりの勝ちっぷりであった。

グランアレグリア

驚きのパフォーマンスでグランアレグリアが優勝

 2着ダノンスマッシュは、飛ばした前2頭から離れた好位を追走し、直線では馬場の中ほどに持ち出して伸びたもの。勝ちに動いて自分の競馬はできており、今日は勝ち馬を褒めるしかない。

 3着アウィルアウェイは、勝ち馬から離れたシンガリをポツンと追走しての直線一気。これは展開が見事にハマったと言えるが、この競馬を選択せざるを得なかった大外枠も良かったのだろう。

 4着ミスターメロディは、2着馬の一列後ろから、勝負どころで先に動いてインから進出。直線では一旦先頭に立つ形で、2着馬同様に自分の競馬はできたと言える。

 モズスーパーフレアは、前述したように昨年よりも時計のかかる馬場でテン3ハロンのラップが同じだったなら失速もやむなしと言えるが、本来のダッシュ力を発揮すればビアンフェに絡まれることはないはずの馬であり、この数字でも少しタメ気味の逃げだったか。勝ち負けを演じるには、4コーナーで2~3馬身のリードが欲しかったところだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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