「まだまだ成長する」ヒシイグアス 早々後退バビットの敗因は?

佐藤直文 レース回顧
中山記念

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GIII→GIIと来て次は ヒシイグアス

 開幕週の馬場、そして例年は頭数も落ち着くことの多い中山記念だが、意外にも過去10年で逃げ切った馬が1頭もいない。にもかかわらず、逃げ馬のバビットに◎を打ったのは、距離適性やコース向きのスピードのみならず、単騎で楽に逃げることができると推測したために他ならない。ハナには立てたものの、ビッシリと絡まれて1000m57秒8のハイラップ、という展開は、正直読めなかった。

 ヒシイグアスは、前が飛ばす展開の中、離れた好位の先頭でハナを切っているのと同じようなリラックスした走り。3コーナー過ぎの勝負どころでも無理して前を追った印象は受けなかったが、抜群の手応えで進出すると、直線では鋭い反応を見せ、着差以上の完勝だった。1800mは気持ち短いというイメージもあった馬だが、いくらハイペースだったとはいえ、力がなければレコードタイの時計では走れないはず。まだまだ成長するハーツクライ産駒だけに、今後のGI戦線でも楽しみになったと言える。

ヒシイグアス

グイッと伸びた1番人気のヒシイグアスが重賞連勝

 2着ケイデンスコールは、好位のインで巧く脚を溜め、ロスのない完璧な立ち回りだったが、今日のところは勝ち馬を褒めるべき。自身初体験だったコーナー4回の1800mという舞台も合っていたと思える。

 3着ウインイクシードは、序盤はバビットを潰しに行ったかのような執拗マークだったが、これだけのラップでゴール寸前まで粘っていたのだから、相当強い競馬だった。これまでは2000m前後の距離で実績を残してきた馬だが、今日の走りができるならマイルあたりでも見てみたい気がする。

 4着ゴーフォザサミットは、馬のデキ自体も良くなっていたが、勝ち馬を前に見ながら理想的な競馬ができたように思う。これがラストとなった蛯名騎手も悔いのない騎乗だったのではないだろうか。

 5着トーセンスーリヤは、飛ばした前の2頭を追いかける形の3番手。直線でも渋太く粘ってはいたが、もう少しゆったりとした流れが理想だったか。

 クラージュゲリエは、全く見せ場を作れなかったが、中団からの追走でも今日の流れはこの馬にとって厳しかったのかもしれない。バビットは、絡まれて息が入らなかったとはいえ、いつもほどのスタートダッシュがなかった上に、絡んできた馬が3着に粘ったことを考えれば、久々でデキも本物ではなかったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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