主役はシップからアクターへ 黄金色に染まった夢舞台

【佐藤直文 先週のレース回顧】
ファン投票のみならず、単勝でも1番人気に支持されたゴールドシップ。そのラストランを勝利で飾れるかが注目された有馬記念だが、勝利を手にしたのは、同じゴールドでも、ゴールドアクターだった。

佐藤直文 レース回顧
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人馬ともに歓喜の初GI ゴールドアクター 【有馬記念】

 入場人員は近年でディープインパクトの三冠イヤーだった2005年に次ぐ12万7千人台で、売り上げも09年以来の400億円突破。レース後にはサブちゃんのサプライズ“まつり”に、多くのファンが残って見守ったゴールドシップ引退式。惜しむらくは、スローの前残りで少し迫力に欠けるレースになった点だが、それでも今年の締めくくりとして十分な盛り上がりを見せた有馬記念であった。

 そのスローペースは、確たる逃げ馬が不在だったこともあり、戦前から予想されていたことだった。ゴールドアクターの吉田隼騎手は、スタートから出して行ってハナを奪うかの構え。結果、好位のインという絶好のポジションに収まったわけで、その好判断が第一の勝因だろう。もちろん、状態の良さも目立ち、コース適性の高さもあったが、昨夏からずっと手綱を取り続けてきたジョッキーと馬との信頼感は、何物にも代えがたい財産だったのではないか。中長距離路線で存在感が薄れていた牡馬の4歳世代だが、2着馬も含めてようやく輝き出したと言える。

ゴールドアクター

3番手から抜け出した吉田隼ゴールドアクターがGI初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着サウンズオブアースは、4コーナーでゴチャつきながらも、最後は鋭く勝ち馬に迫っていた。天皇賞をパスしての秋3走目で、状態もピークに近かったと言えるが、距離はもっとあってもいい印象。来春の天皇賞で期待したい。

 3着キタサンブラックは、自分の競馬に徹して持ち味を出し切った形だが、初の古馬相手、しかもGIの大舞台で普段通りの競馬ができること自体、並みの馬ではできない芸当だ。菊花賞馬に恥じない走りができたように思う。

 マリアライトは、ゴールドシップのマクリに抵抗し、なおかつ見せ場十分の4着。大外枠の不利も克服したことで、立派な内容だったと言える。

 ラブリーデイは、道中のポジションとほぼ変わらない5着。秋4戦目での疲労は少なからずあったはずであり、2500mの距離も正直言って長い馬だろう。

 最下位入線のリアファルは、ゴール後に馬運車で運ばれた。無事であったら、勝ち負けになる流れだったように思えたが、大事に至らないことを願うばかりだ。

 そしてゴールドシップ。引退の花道を飾れなかったのは残念だが、やはり往年の力を望むのは酷だったろう。それでも、最後方から向正面で一気にマクって、よく見せ場を作った。ファン投票のみならず単勝でも1番人気だったスターホースから、父の個性を受け継いだ新たなスターが生まれることを期待したい。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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