主役はシップからアクターへ 黄金色に染まった夢舞台

佐藤直文 レース回顧
ホープフルS有馬記念阪神カップ

今年も強かった関東馬 ロサギガンティア 【阪神カップ】

 阪神土曜の阪神カップも、この距離としては落ち着いた流れ。馬場も緩かったことで、好位で立ち回った馬に有利な競馬となった。

 ロサギガンティアは、好スタートから出していって好位で流れに乗る形。枠なりに外を回ったとはいえ、これだけスムーズなレース運びがこれまではできていなかった馬であり、鞍上の巧さが際立ったと言える。これで7年連続での関東馬の勝利とは、不思議な重賞である。

ロサギガンティア

M.デムーロに導かれたロサギガンティアが優勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ダンスディレクターは、後方からただ一頭、目立つ脚色で勝ち馬に迫ったもの。一旦は前へ出ながら差し返されたのは、久々の分もあったろうし、不向きな流れを考えれば勝ち馬以上に評価していい走りだ。

 3着ビッグアーサーは、控え過ぎた前走よりも前で立ち回っていたが、今日の馬場での最内枠は少し厳しかった。ただ、距離は1400mでも十分やれることを示し、今後の選択肢も広がったように思える。

 5着ウリウリは、10キロのプラス体重。過去を振り返っても、スプリンターズSからの直行組は一頭も馬券になっていないレースであり、秋口に一旦ピークに仕上げてココ、というローテーション自体が厳しいと言える。

忘れずに買おう 次走の注目馬

 馬場TMセレクトの次走注目馬だが、まず一頭目は、中山日曜3R、5着ロジカロン。前走から着順は落としたものの、レースっぷりは良くなっていた。中山2000m自体はピッタリであり、次開催に期待したい。

 二頭目は、中山日曜4R、3着アークアーセナル。出負け気味のスタートからポジションを上げようとしたところで、ガツンと掛かってしまったもの。それでいて断然人気の2着馬とハナ差なら能力は示した。2戦目でスムーズに折り合えれば、アッサリだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。