「春の再戦ムード漂う」毎日王冠 ダノンキングリー、シュネルマイスターの調教をジャッジ

調教班レポート
サウジアラビアRC毎日王冠

~トラックマン中田の美浦トレセン日記~

 今週からBコースダートの入場口が馬場の外目からとなった影響か、時計を出す馬が内目を通ってくる馬が増えている。結果、走る距離が外目と内目では違ってくるので内目を通った場合の時計は速くなっている。(ビッシリ追った場合の単純比較で、内外で2秒ほど違うと考えて良さそうだ。)

 今春、安田記念を勝ったダノンキングリーは最終追いの馬場にBコースダートを選んできた。安田記念時もダート中心で乗り込んでいたが、前回を踏襲してか最終追いは相手に併せる形でムキにさせず控えめな時計でまとめてきた。金曜日の角馬場での姿を見ても同厩舎の馬たちの後ろを昂ぶることなく歩いていたことから今のこの馬にちょうど良い調整内容なのだろう。本番まで落ち着いた状態で挑めるか注目である。

ダノンキングリー

安田記念で見事に悲願のGIタイトルを手にしたダノンキングリー

 美浦から毎日王冠で人気を集めるであろうもう一頭シュネルマイスター。体型が大人になってきて、春よりスムーズな体捌きになっており速い時計を出そうと思えば楽に出るのではないかと思える推進力を見せている。ただ陣営のコメントに散見されるように先を見据えていることもあってか、緩さも残している感じはある。3歳馬だけに焦ることはないが、外国産馬の3歳秋以降の成長をどう促すのか注目したい。

シュネルマイスター

3歳マイル王者シュネルマイスターの、秋始動戦に注目が集まる

 土曜日の重賞からはコマンドライン。6月の時点ではオープン馬と一度先行して併せたくらいで、ほぼ相手は3歳未勝利相手であったが、今回は古馬2勝,3勝クラス相手にも胸を貸すくらいの動きを見せている。どれくらいレベルが上がってきたのかとても楽しみな素材である。

コマンドライン

デビュー戦を圧勝したコマンドライン。東京マイルを経験済みというのも心強い

筆者:


北陸生まれ 1998年入社。美浦調教班。グリーンチャンネルでパドック解説を担当。