M.デムーロの自信と「厩舎力」が生んだ、サークルオブライフの快勝劇

佐藤直文 レース回顧
阪神ジュベナイルフィリーズ

次代の女傑候補へ サークルオブライフが名乗りを上げる

 前半3ハロンは34秒1と、さほど速くはなく、10月からの連続開催で例年よりも荒れた馬場を考えると、1分33秒8の決着タイムは優秀な部類。この世代の牝馬もなかなかのレベルと見ていいだろう。

 サークルオブライフは、ゲートは五分に出たが無理せず控えてジックリと脚を溜める形。このあたりは、デビューから手綱を取り続けてきた鞍上M.デムーロ騎手の自信が窺えたが、外を回るコースロスを厭わずにスムーズに走らせることを優先させ、直線でも狙い通りに馬群の外へ進路を取ると一気に抜け出しての快勝だった。前走の経験を生かしての戴冠となったが、初めての関西遠征でも平常心の競馬ができたあたりは、国枝厩舎の力も大きかったと言える。

サークルオブライフ

未勝利戦からの3連勝で2歳女王の座についたサークルオブライフ(黄帽)

 2着ラブリイユアアイズは、初のマイル戦となったが、前を見るポジションでスムーズに折り合い、直線でも2着馬の内から渋太く脚を伸ばしたもの。戦前は距離に不安があったかと思われるが、今日の走りならむしろマイル向きと言えるだろう。

 3着ウォーターナビレラは、前を見るポジションでスムーズに折り合い、残り1ハロンで一旦は先頭に立つ形。最後は上位2頭の決め手に屈したが、自分の力は出し切れたように思う。

 4着ナミュールは、出遅れが全てだったとも言えるが、内を回ることでスタートのロスを最小限に抑え、直線でも開いたインをついてここまで持ってきたのはジョッキーの腕。マイナス10キロの馬体減も微妙に影響したかと思われる。

 ステルナティーアもまた、マイナス体重の影響もあったかと思えるが、馬群で揉まれて直線でもスムーズに進路を取れず、自分のリズムで走れなかった印象。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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