例年“取り扱い”が難しいフィリーズR組 桜花賞で「買える馬」は?

佐藤直文 レース回顧
フィリーズレビュー

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阪神JF組上位の勢力図にちょっと待った サブライムアンセムが桜へ名乗り

 開催5週目を迎えた阪神だが、芝は相変わらず内有利の傾向。4コーナーで外を回った馬もいたとはいえ、掲示板を占めたのは6番枠以内の馬たちという結果も、そういったトラックバイアスを示すものだろう。

 サブライムアンセムは、立ち遅れ気味のスタートで出脚が付かなかったが、道中は後方のインをロスなく立ち回っていた。直線ではスペースを見付けるのに少し手間取ったが、馬群をこじ開けてからは鋭い伸びを見せて、2着馬との追い比べを制した形。前走も不利を跳ね除けての勝利だったように、秀でた勝負根性を持っており、使い減りせずにここまで来たという点でも、まだ上昇の余地がある。追走に余裕が出る分、距離はマイルの方が合うはずであり、本番でも楽しみは持てるだろう。

サブライムアンセム

前走繰り上がりで未勝利を脱したサブライムアンセム(左)が、いきなりの重賞V

 2着ナムラクレアは、これまたスタートが一息で控える形となったが、勝ち馬との差も4コーナーで外へ膨れてしまった分と言える。結果はともかくとしてタメて運ぶ競馬が板に付いたという点では収穫があったが、本番のマイルはこなせてもパフォーマンスを上げるまでは厳しいかもしれない。

 3着アネゴハダは、好位で流れに乗って、内有利の馬場も味方に渋太く粘り込んだ形だが、こちらは明らかに1400mまでのタイプだろう。

 4着マイシンフォニーは、4コーナーでは2着馬よりもさらに外を回るロスがありながら、よく脚を伸ばしたもの。これで権利を取れていたら本番でもダークホースとなっていたかもしれないが、先々に期待が持てる走りだった。

 テイエムスパーダは、楽な手応えでの2番手追走で非凡なスピードは見せたが、直線での止まり方を見ると、1200mの馬と見るべきか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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