武豊はダービーを「知っている」 多くのファン“納得”させた「完璧な勝利」

佐藤直文 レース回顧
日本ダービー

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熱気に包まれた中でのユタカコール ドウデュースが世代の頂点に

 真夏を思わせる気温の上昇のみならず、6万人を超える観衆の熱気に包まれた今年のダービー。前半1000m58秒9という、紛れもなく地力が要求された淀みのない流れの中で、昨年のダービーレコードをコンマ6秒も上回るハイレベルな決着は、テレビの前も含めた多くのファンを納得させるレースとなったように思う。

 ドウデュースは、皐月賞同様に折り合い重視で後方からの競馬となったが、中団馬群の後ろというポジションから4コーナーでスムーズに外へ進路を取ることができた。結果的に中団の馬たちは直線で進路を探しながら、となったのに対し、この立ち回りができたのはダービーを知る鞍上ならではだったろう。直線を向いてからの反応の良さも、道中でストレスなく折り合えたからこそ。人馬一体の完璧な勝利であった。

ドウデュース

稀代の名手に導かれたドウデュースが7522頭の頂点に

 2着イクイノックスは、ぶっつけとなった皐月賞時と比べても、パドックでは落ち着きがあっていい雰囲気。大外枠もあって無理にポジションを取りに行かずの後方待機となったが、直線で勝ち馬を目標に追われながら届かなかったのは、相手を褒めるべきであり、力の差はないと言える走りだった。

 3着アスクビクターモアは、キレ味勝負となっては分が悪いだけに、道中2番手から直線で早目先頭の形はおそらくイメージ通りの競馬だっただろう。皐月賞よりも厳しい流れの中で着順を上げたことで、力は証明できた。

 4着ダノンベルーガは、中団馬群で流れに乗れてはいたものの、4コーナーで狙った外が壁となり、スペースを探しつつ最終的には内へ進路を取った形。そのコース取りの差とも言うべき結果で、けっして力負けではなかったように思う。

 5着プラダリアは、好位から流れ込んでの掲示板確保だが、上位を占めた皐月賞組に割って入るだけのポテンシャルの高さを示すことができた。

 キラーアビリティは、結果的に春2戦では存在感を示すことができなかったが、万全の体調で臨めなかった分もあったか。ジオグリフは、直線を向いて一旦は内のダノン、外の勝ち馬と3頭で伸びかかるシーンがあったが、追い出されて内へモタれたあたりに距離の壁を感じた。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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