「加速ラップＶ」への★評価は？ ひそかに優秀“ヴェリテ一家”のアリスヴェリテ

活躍馬揃いの血統から新星誕生　アリスヴェリテ

７/３ (日) 小倉５R ２歳新馬 芝1800m
アリスヴェリテ　牝　馬体重：448kg
★★★★★　５点
騎手：川田将雅　　厩舎：(栗東)中竹和也
生産：ノースヒルズ
馬主：加藤誠 氏
父：キズナ
母：ルミエールヴェリテ（コジーン）

　発馬こそ遅かったがスピードの乗りは速く、すぐさま好位を確保できたように、兄同様のスピードセンスが垣間見えた。乗り手の指示にも従順で、鞍上が出して行ってから抑えても折り合いはバッチリ。レースは前半1000ｍ通過が62秒６、1200ｍ通過時点でも75秒１とかなり緩い流れで、直線はヨーイドンの瞬発力勝負に。４コーナーで若干外に張られるロスはあったが、抜群の反応の良さで一気にギアを上げると難なく前を行く馬たちを捉えて２着馬に１馬身差をつける快勝。着差の付きにくいスローからの決め手比べでの１馬身差は決定的で（12.1ー11.8ー11.6）の加速ラップを差し切った瞬発力も高く評価できる。

アリスヴェリテが川田騎手を背にデビュー戦を飾る！

・馬体診断
　パドックでは一番後ろを周回、若干馬体の造りには余裕が感じられた。耳ありのコンプレッションフードを着用してレースへと臨んでいたように、まだ精神面での幼さは多少残っているのが現状。それでもレースに行ってからは落ち着いて走れていたように、レースセンスは高い。今回は軽い馬場だったが、調教では重たい馬場を苦にしないパワーもあり道悪にも対応は利きそうな印象。

・血統診断
　母ルミエールヴェリテの繁殖成績は優秀で、デビューした７頭のうち６頭が中央で勝ち上がっている。半兄リアンヴェリテはダートのオープンで３勝。全兄キメラヴェリテは交流重賞北海道２歳優駿の勝ち馬。血統的にダート向きな印象は否めないが、本馬は牝馬でかつ上の兄姉よりも小柄なタイプで芝がベターか。全兄キメラヴェリテが若葉Ｓ２着から皐月賞に出走しているように、芝でも上のクラスでやれる下地はある。

【将来性まとめ】→ 牝馬は早い時期から仕上げ過ぎると、気性的な危うさをみせることが多いため、余裕残しの仕上げで初戦を勝ち切れたのは大きい。メンバー的にも他が全て牡馬といった組み合わせの中での勝利で価値も高く、血統的にも伸びしろは十分。