【関屋記念回顧】イルーシヴパンサーの騎手は「責められない」 超の付くスローは“まるで新馬戦”

佐藤直文 レース回顧
関屋記念

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3連勝で掴んだ重賞タイトル ウインカーネリアンが秋の大舞台へ

 純然たる逃げ馬が不在で戦前からスローペースが予想されていたとはいえ、前半600m通過が36秒2、半マイルで48秒4というのは超の付くスロー。土曜に行なわれた2歳新馬戦が、36秒4-48秒8という近いラップであり、馬場差があるとはいえここまで遅くなったのであれば、とても後ろから差せる流れではなかった。

 ウインカーネリアンは、スタートを決めて内の馬たちの出方を見ながら絶好の2番手に収まる形。直線を向いて残り2ハロンを切ってから満を持して追い出されると、上がり3ハロンを32秒9でまとめ、着差の付きにくいペースの中で完勝と言える内容だった。爪の不安で長いブランクもあった馬だが、この中間も短期放牧へ出さずに負荷を十分にかけた調整をされたこと自体、その不安もなくなった証拠だろう。今日のところは流れにも恵まれたが、まだまだ上を目指せる器だ。

ウインカーネリアン

最終的には1番人気に推されたウインカーネリアンが重賞初制覇

 2着シュリは、後続からのプレッシャーも受けずにマイペースの逃げ。揉まれ弱い面がある馬が、今日は力を出し切れる競馬となり、勝ち馬に交わされてからも渋太く粘り込めた。

 3着ダノンザキッドは、パドックでイレ込んでかなり発汗していたこともあってか、控えて折り合い重視の競馬。結果的には、位置取りの差で前を捉えることができなかったが、テンションの問題は今後も課題となりそうだ。

 4着スカイグルーヴは、道中で頭を上げるシーンもあったが勝ち馬の直後をリズム良く運べていた。ただ、追い出されての反応が一息で、マイルは微妙に長い印象を受けた。

 イルーシヴパンサーは、今日の展開や馬場を考えると後方からでは成す術もなかったが、好位を器用に立ち回ることのできるタイプでもないだけに、鞍上を責めることはできないだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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