【セントウルS回顧】メイケイエール「最高の形」本番でも単勝1倍台!? 5着ソングラインは“適性外”

佐藤直文 レース回顧
セントウルS

直線向いて“来るなら来いよ” メイケイエールが圧巻のレコードV

 従来のコースレコードを実にコンマ5秒も更新する1分6秒2での決着は、好天により前日からの回復が進んだ開幕週の馬場と、テン3ハロン32秒5のハイペースがもたらしたものと言えるが、それにしても2着に2馬身半というこの距離では大差と言っていい着差を付けた勝ち馬は、すでにGI級のスプリント性能が備わっている証拠だろう。

 そのメイケイエール。スタートから急かすことなく中団の前でスムーズに折り合い、課題の操縦性に進歩を示す走り。直線を向いた時点では前とは少し差もあったが、残り1ハロンで前を捉えると、あとは後ろから来るなら来いよ、と言わんばかりの完勝だった。プラス14キロと幾分余裕残しの体つきを考えても、最高の形で目標のスプリンターズSへ向かえるはずだ。

メイケイエール

単勝1.7倍の支持に応えたメイケイエール、GIタイトル獲得へ機は熟した

 2着ファストフォースは、この夏の2走とは違って本来の行きっぷりが戻ったことが好走の最大の要因。今日の速い流れを2番手から追いかけて、勝ち馬に交わされてからも最後まで脚を使っていたように、評価のできる2着だろう。

 3着サンライズオネストは、勝ち馬の直後のインで巧く流れに乗り、直線でもロスなくインから伸びた形。最高の立ち回りができての結果だけに、上位とはまだ力の差があったとも言える。

 4着ダディーズビビッドは、これまた勝ち馬を前に見ながらスムーズな競馬。1200mでは勝ち鞍こそないものの、十分に対応できることを改めて証明した。

 5着ソングラインは、勝ち馬とは対照的に体はデキていたが、今日のような速い流れに対応できなかった。それでも最後は差を詰めて力を示したが、やはり1200mに適性があるとは言えない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。