快勝シュヴァルグラン 抜群の操縦性はまさしく“ステイヤー“

佐藤直文 レース回顧
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春の盾へ大きく前進 シュヴァルグラン

 レース序盤で12秒台前半のラップが続く長距離戦としてはタイトな流れ。スローに落としての瞬発力勝負では分の悪いカレンミロティックの秋山騎手が、意識的に飛ばしたように思えたが、ペースを落としてからは後続の出入りも激しくなる乱ペースであった。

 シュヴァルグランは、連勝が止まった前走の日経新春杯では少し馬体に余裕が感じられたが、今回はマイナス10キロでキッチリと馬体を造ってきた印象。加えて、ペースの変化に惑わされずに福永騎手も落ち着いて乗っていたように思う。2400mを超える距離は初めてであったが、これだけ操作性に長けて、今回のような流れにも対応できたのであれば、まさしくステイヤーだろう。断然と言える存在のない春の盾を、グッと引き寄せる一戦となった。

シュヴァルグラン

初の長距離戦も問題にせず快勝したシュヴァルグラン(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着タンタアレグリアは、何の苦労もなく折り合えて、勝ち馬と同様にスムーズに流れに乗っていた。道悪だった前走のダイヤモンドSでノメっていたことを考えれば、良馬場にまで回復したことも良かったと言える。3着以下に3馬身の差を付けて、勝ち馬とともに長距離路線でも4歳馬強しを印象付けたが、勝ち馬とは力の差があったか。

 3着アドマイヤデウスは、いい位置で運びながら直線ではジリジリとしか伸びなかった。前走が昨春の重賞連覇以来の好走で復調をアピールした内容だったが、今回は同じ3着でも“こんなものか”という印象。ハイレベルの現4歳世代に力が及ばないのか、まだ本調子にないのか、判断は微妙なところだが…。

 それ以上にガッカリさせられる内容だったのがトーホウジャッカルだ。7ヶ月ぶりでプラス18キロと、思ったほど馬がデキていなかったと言えるが、長距離戦において坂路だけで仕上げるには限界があり、やはりコースで長めからしっかり追えていないとダメだろう。調整法に問題があったような気がしてならない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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