横山典の“らしい”騎乗に導かれ、アンビシャスがGI馬5頭を一蹴

佐藤直文 レース回顧
大阪杯

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豪華メンバーを一蹴してGI獲りへ アンビシャス

 GI昇格の噂も流れる大阪杯だが、今年はGI馬が5頭も揃う豪華メンバー。そして、その5頭が力通りに2~6着を占める結果となった。その5頭を抑えて勝った“GI未勝利馬”にも、当然GIレベルの力が備わっていると判断していいだろう。

 アンビシャスは、これまで手綱を取ってきたジョッキーがいずれも折り合いに苦労してきた馬であり、今回初コンビとなる横山典騎手がどう御すかにも注目していたが、例によってテンに行きたがるのを無理に抑えずに2番手へ。これまでも癖馬をさんざん乗りこなしてきたベテランの“らしい”騎乗であった。落ち着いた流れにも恵まれ、逃げている馬がGI馬で目標にしやすいこともあっただろうが、それにしてもこのメンバーでの横綱相撲は、実力なくしてできない芸当だ。気性面の課題は残すものの、強い世代からまた1頭、タイトルホルダーが生まれる可能性が高まった。

アンビシャス

最後の直線での叩き合いを制したアンビシャスが優勝(橙帽、撮影:日刊ゲンダイ)

 2着キタサンブラックは、マイペースで運べたとはいえ、ラスト3ハロンを33秒6で上がられては、後続も成す術がない。勝ち馬とは2キロの斤量差があったことを考えれば、負けて強しの内容であり、中距離の適性も十分に示したと言える。

 3着ショウナンパンドラは、プラス14キロで、休み明け組の中でも最も余裕があると思える造りだったが、ペースも向かない中でこれだけ走るのだから、これまた負けて強しである。次はヴィクトリアマイルとのことだが、牝馬同士の戦いならマイルでも力の違いを示すことができるだろう。

 4着ラブリーデイは、勝負どころでの反応が一息だったが、これは久々の分だろう。もともとが叩き良化型であり、香港遠征前の一叩きという意味では、いいステップになると思える。

 5着イスラボニータは、序盤で行きたがるのを鞍上が懸命に宥めながらの追走だったが、結果的には勝ち馬のように行かせた方が良かったか。ただ、まだいい頃のデキにない印象も受けた。

 ヌーヴォレコルトは、絶好位の3番手から伸び負けした形。ハードな追い切りを消化して仕上りは良さそうだったが、案外な結果だ。この馬もまたラブリーデイとともに、次走は香港のクイーンエリザベス2世カップとなるが、暮れにはエイシンヒカリの2着だった舞台で、どこまで変われるか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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