【NHKマイルカップ回顧】“ウチパク”は「究極の騎乗」 雨と前崩れに笑った馬、泣いた馬
主なき混戦に拍車をかけた雨中の激戦 ベテランのアシストでシャンパンカラー
昼過ぎから本降りとなった雨の影響により、直前の10Rから芝は稍重発表に。その後も降り続いたことにより重馬場に近い状況となっていたはずで、その中での1000m通過58秒4は、かなりの厳しいペースだったと言える。実際に典型的な前崩れの競馬で、上位3頭はいずれも4コーナーでは二桁通過順の馬たちだった。
シャンパンカラーは、スタートでダッシュが付かず後方からの競馬となったが、今日の流れではこれがベストポジションだったか。初騎乗だった前走のニュージーランドTでも末脚を巧く引き出していた内田博騎手が、直線でもムチを入れるのをギリギリまで遅らせながら脚を余すことなく使い切っての勝利。ベテランならではの究極の手綱捌きだった。
2着ウンブライルは、4コーナーは勝ち馬の直後で回ったが、直線を向いての反応が一息で、勝ち馬が先頭に立った残り1ハロンあたりでもとても届かない位置。ただ、そこから見せた鬼脚は凄かった。ゴールでも脚を余してのアタマ差惜敗だったが、力は十分に示す走りだった。
3着オオバンブルマイは、これまた4コーナーでは勝ち馬の直後からスムーズに大外の進路を確保して、一旦は外から突き抜けるかのシーン。早目に脚を使ったことで最後に脚が上がってしまったものの、前走で示した道悪適性を十分にアピールした形だ。
4着ダノンタッチダウンは、大外枠から中団外目で流れに乗り、4コーナーでは大外から前を射程に捉えるポジションまで進出。最後は後ろから来た3頭に交わされたものの、このあたりは展開のアヤであり、内容的には一番強い競馬だったか。
5着カルロヴェローチェは、4着馬同様に中団で脚を溜めつつ流れに乗り、直線でもジワジワを差を詰めていたが、現状では前走の1400mがベストの距離かもしれない。
エエヤンは、中団の前寄りで流れに乗っていたが、直線でスムーズに捌けず馬場の悪い最内に。ニュージーランドTの3・2着馬によるワンツー決着だっただけに、けっして力の差ではなかったと見るべきだが、今回は体調面でも一息だったかもしれない。
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