【ヴィクトリアマイル回顧】ソングラインらが示した“底力” 7着ナミュールは「仕方なかった」

佐藤直文 レース回顧
ヴィクトリアマイル

白き女王を内から捉えた鬼脚 ソングラインが連覇を阻止

 終日スッキリしない天候に加えて直前に貰った雨により、良馬場発表ながら少し緩んだ馬場状態を考えると、テンの3ハロン34秒2は適度な流れ。道中で大きな不利があった馬もいたとはいえ、マイルでGI勝ち実績のあった3頭が上位3着までを占めた結果は、底力が問われる競馬だったことを示している。

 ソングラインは、スタートを無難にこなして枠なりに中団のインを追走する形。直線を向いて馬場の良い外目に進路が見つからなかったものの、開いていたインをロスなく立ち回ったことがラストのひと伸びに繋がったか。昨年とは違い、力を余すことなく出し切れたことで、安田記念で牡馬を封じた底力をアピールしたと言えよう。

ソングライン

内からソダシを“アタマ差”捉えたソングラインがGI2勝目をあげた

 2着ソダシは、プラス8キロと幾分余裕残しの馬体だったのに加え、大外枠からポジションを取りに行った前半で脚を使わされた形。それでいて一旦は先頭に立ち、外から迫る二冠馬を振り切った内容は、まさに負けて強しだった。

 3着スターズオンアースは、序盤にジックリと脚を溜めて行きたい馬にとって、ポジションを取りに行かざるを得ない内枠は厳しかったか。途中から2着馬を目標に置いて運んだものの、その差は最後まで詰まらなかったあたり、上位2頭とはマイル適性の差も出たように思う。

 4着ディヴィーナは、出負けして後方から外を回って追い上げて、直線でも目立つ伸び脚。母が二連覇を果たしたレースで、鮮やかに変わって見せた。

 5着サウンドビバーチェは、好位を立ち回ってゴール前でも盛り返し気味に脚を使ったが、目下の状態の良さを示す走りだった。

 ナミュールは、スタート後に2着馬が大外から切れ込みながら進出した際に挟まれる大きな不利。スムーズに運べていれば、上位争いも可能だったはずだが、今日のところは仕方なかった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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