【ラジオNIKKEI賞回顧】「一番強い」レーベンスティールでなぜ 戸崎圭に求められた“乗り方”

佐藤直文 レース回顧
ラジオNIKKEI賞

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“こう乗ったら勝てる” お手本騎乗に導かれたエルトンバローズ

 ただでさえ先行有利の福島で、しかも開幕週の競馬となると、ポジション取りや立ち回りが結果を大きく左右するもの。そういう意味でも、勝ち馬は“こう乗ったら勝てる”というお手本の騎乗だった感を受けた反面、“こう乗ったら負ける”という逆手本もまた見られた。

 そのエルトンバローズ。まさに絶好位と言える好位3番手のインからスムーズに流れに乗って運び、4コーナー手前から仕掛けて直線入り口で外に持ち出し、粘る2着馬を競り落とした形。前述したように、福島1800mにおけるお手本のような西村淳騎手の騎乗ぶりが光ったが、それに応えた馬自身のレースセンスや状態の良さも見逃せない。今回の内容自体は大舞台でどうこうのレベルではなかったものの、今後の成長次第では可能性も秘める馬だ。

エルトンバローズ

西村淳也騎手に導かれた3番人気のエルトンバローズが重賞初制覇

 2着シルトホルンは、道中2番手でピタリと折り合い、直線で勝ち馬に並ばれてからもよく抵抗していた。展開面で恵まれたとはいえ、現状の力を出し切ったと言える。

 3着レーベンスティールは、結果論ではなく道中の位置取りの悪さが全てだったか。これまで幾度となく夏の福島リーディングに輝き、コースを熟知しているジョッキーには、たとえ負けたとしても単勝で2倍を切る断然人気馬としての騎乗が求められたはず。最後の脚を見ても一番強いのはこの馬であり、いずれは大きいところも勝てる馬だろう。

 4着バルサムノートは、ゴール前に3着馬に弾かれる不利があったものの、すでに大勢は決していた。57キロの斤量やコース自体の適性が一息だったことを考えれば、けっして悪くはない内容だ。

 グラニットは、押して押してハナを取りに行った分、前有利の展開でも粘り切ることができなかった形だが、これほどテンの行きっぷりが悪い馬ではなかったはずで、状態自体も本物ではなかったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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