さらなる快挙達成も可能 7歳ストレイトガールの完勝劇

佐藤直文 レース回顧
ヴィクトリアマイル

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直線真っ直ぐに突き抜けて ストレイトガール連覇達成

 今週からBコースへ変更されたことにより、内有利の馬場に。好発を決めたレッドリヴェールスマートレイアーといった内枠の馬がスンナリと前へ行ったが、ともに折り合いは付いており、前半3ハロン33秒8はけっして無謀なペースではなかった。しかし、3角過ぎからカフェブリリアントが掛かって行ってしまったのは、先行勢にとっては想定外だったと言える。結果、1000m通過ラップは57秒2。昨年のみならず、近年続いていた前残り決着とは正反対の決め手比べとなったわけだが、それでも同じ馬が勝つとは、本当に恐れ入った。

 ストレイトガールは、外目の枠を引いたこともあってか、好位で運んだ昨年とは違って中団の後ろ目で脚を溜める形。直線を向いても無理に外へ進路を取らずに馬群へ入れたが、先行していたスマートレイアーが少し外へヨレたことで、前がポッカリと開き、何の苦労もなく抜け出してきた。運も味方したと言えるが、そこから一瞬のうちに突き抜けることができたのは、ここまでGI2勝の底力ゆえだろう。レースレコードタイだった昨年の時計をコンマ4秒更新し、コースレコードに迫る時計での連覇は見事の一言であり、しかも昨年とは全く違う競馬で、そして2着に2馬身半差の完勝劇。暮れで引退の予定を撤回して臨んだ7歳馬だが、仕上げに定評のある厩舎らしく、本番に向けて最高の状態へ持っていったことも確かだ。7歳牝馬のGI勝ちはJRA史上初の快挙だが、まだまだ快挙の上乗せも十分可能と思える。

ストレイトガール

内から抜け出したストレイトガールが連覇を達成(一番右、撮影:日刊ゲンダイ)

 ミッキークイーンは、ポッカリと前が開いて突き抜けた勝ち馬の後を追って脚を伸ばしたもの。長くいい脚は使ったものの、一瞬の脚は使えず、コースロスのなかった分だけ2着に浮上できた印象だ。けっして“強い2着”ではなく、やはりマイルでは距離不足かもしれない。

 3着ショウナンパンドラは、1・2着馬とは違って枠なりに外を回り、直線でも大外からねじ伏せに行った形。最後に脚が上がってしまったが、これまたベストとはいえない距離で、少なくとも2着馬よりは“強い3着”だったように思う。

 4着スマートレイアーは、前述したように先行勢にとっては厳しい流れで、ゴール寸前まで踏ん張った点を評価すべきだ。カフェの想定外の動きさえなければ、と言ったところだが、上位3頭はいずれもGI馬。スムーズに折り合いは付いていて、力は出し切れたと見ていい。

 5着ルージュバックは、中団で流れに乗り、直線でもそれなりの脚を使っていたが、少し反応が鈍かった。これまたマイルは距離不足と思える。

 マジックタイムは、好位での厳しい流れもあって伸び切れなかったが、4着馬とはタイム差がなく、力は十分に示している。クイーンズリングは、序盤で行きかけたものの折り合い重視で運び、直線では3着馬と並んで一瞬は伸びかけたが止まってしまった。流れを考えても現状での力不足と言えそうだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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