【秋華賞回顧】リバティ“三冠”心から祝福も 残念だった「ライバルたちの姿勢」
牝馬三冠も通過点 孤高の女王リバティアイランドが次なるステージへ
まずは圧倒的な内容で史上7頭目となる牝馬三冠を達成したリバティアイランドに、心よりの祝福を送りたいが、惜しむらくは、道中でプレッシャーをかけるなり、果敢に勝負を挑むなりした馬が一頭もいなかったことだ。戦う前に白旗を上げていたわけではないはずだが、特にこれまで肌を合わせてきた馬たちに、そういう姿勢が見られなかったことは残念なことである。
そのリバティアイランドのレースぶりを振り返ってみるが、序盤は中団の前で枠順的にも周りを囲まれての追走。ペースも落ち着いて動きにくいポジションだったが、馬群がバラけ始めた3コーナー手前で外目に進路を確保すると、あとは一頭だけ違う手応えで進出し、直線を向いた時点でもう先頭に立った。桜花賞ともオークスともまた違った形であったが、後続を大きく離して最後は流した分だけ2着馬に迫られたとはいえ、内容的には完勝だったと言えるだろう。前述したように、他馬から道中での厳しいマークやプレッシャーがなかったことは確かだが、仮にそれがあったとしても勝っていたと思えるほどのパフォーマンス。馬体にも成長が見られ、更に良くなりそうな次のステージが楽しみである。
2着マスクトディーヴァは、後方から4コーナーでもスムーズに捌くことができなかったが、勝ち馬が抜けてからだったとはいえ脚を余し気味でここまで差を詰めたのは立派な走りだった。
3着ハーパーは、内枠から好位で巧く流れに乗れていたが、4コーナーでは馬体を併せるシーンがないままに一気に勝ち馬に置かれてしまった形。結果的には2着馬にも水を開けられてしまった。
4着ドゥーラは、3コーナー過ぎからは外の勝ち馬と馬体を併せる形となったが、そこから一緒に動いて行くことができなかった。
5着モリアーナは、後方からインにこだわっての強襲策だったが、上位2頭にそれ以上の脚を使われては3着争いが精一杯だった。
ヒップホップソウルは、外枠から折り合いを重視する余りどんどんポジションが悪くなってしまった。前走のような積極的な立ち回りを期待していただけに、少し残念な競馬だった。
三代川編集
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