【フローラS回顧】アドマイヤベルは桜花賞組相手でも“もしかしたら” 7着バロネッサは「人気になり過ぎた」

佐藤直文 レース回顧
フローラS

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力でもぎ取ったオークス切符 アドマイヤベルが桜花賞組に宣戦布告

 開幕週とはいえエアレーションによりクッション性を利かせた馬場で1分59秒0という決着タイムは、まずまず以上の好時計。大半が1勝馬というメンバー構成だったが、将来が期待できる馬も揃って、なかなかのレベルだったように思う。

 アドマイヤベルは、中団の前目をスムーズな追走。道中で動いた馬にも惑わされずピタリと折り合えたことで、十分に脚を溜めることができた。直線を向いて残り1ハロンで数頭が横一線の状態から最後にひと伸びして、見た目以上に余裕のある完勝だった。長くいい脚を使えて距離が延びても良さそうなタイプであり、本番のオークスでも“もしかしたら”の可能性はある。

アドマイヤベル

2番人気アドマイヤベルが好時計勝ちでオークス戦線に名乗り

 2着ラヴァンダは、内枠を利して好位のインでロスのない立ち回り。最後も窮屈なシーンがありながらよく脚を伸ばしたが、距離はこれがギリギリの感も受けた。

 3着カニキュルは、折り合い重視で運んだとはいえ、4コーナーでも最後方に近い絶望的な位置取りから、直線ではまとめて差し切るかの手応えで伸びたもの。最後に止まったものの、立ち回りひとつでは勝ち負けできたと思えるもったいない競馬で、今後の成長次第では秋に大仕事も可能な馬だ。

 4着クリスマスパレードは、好位追走も気難しさを覗かせながらだったこともあってか、直線でピリッとした脚を使えなかった。まだ経験が必要だろう。

 5着トロピカルティーは、勝ち馬を前に見ながら運んだが、少しエンジンのかかりが遅かった。ただ、小柄ながら好馬体でゴール前の伸び脚からも、先々が楽しみな馬だろう。

 バロネッサは、開幕週としては絶好の最内枠を生かすことができず、逆に厳しいポジションでの競馬を強いられた形。加えて現状では2000mも長かったか。前走では破格の好時計勝ちを演じていたが、少し人気になり過ぎたとも言える。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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