【ローズS回顧】クイーンズウォーク“最高の形”で秋華賞へ 5着レガレイラは「力は示したが」

佐藤直文 レース回顧
ローズS

ひと夏越しての成長示した クイーンズウォーク

 逃げた馬が途中から後続を引き離しての縦長の展開となったが、1000m通過は60秒3と、見た目ほどの速い流れではなかった。結果的にも上位を占めたのは、ある程度前目で運んだ馬たちであった。

 クイーンズウォークは、序盤こそ力みの見える走りだったが、縦長の難しい展開の中でも前を見ながら持ち前の自在性を生かしての差し切り勝ち。100%の仕上げではなかったにもかかわらず、レースぶり自体にも余裕が感じられ、秋華賞へ向けての前哨戦としては最高の競馬ができたように思う。

クイーンズウォーク

2番人気クイーンズウォークが秋華賞に向け弾みをつける完勝劇

 2着チェレスタは、逃げた馬を射程圏に入れての上手な立ち回り。一戦ごとに力を付けていており、本番でも立ち回りの巧さが問われる展開になればチャンスはある。

 3着セキトバイーストは、前半の貯金を生かしてゴール寸前までよく粘っていた。桜花賞以来の5ヶ月ぶり、距離も初めてだったことを考えれば、これまた本番でもフロック視はできない。

 4着タガノエルピーダは、オークスでは厳しい流れの中で前へ行き過ぎて失速したが、無理をせずに自分の競馬に徹したことで本来の力を出せたように思う。

 5着レガレイラは、シンガリからメンバー最速の上がりを駆使したがここまでが精一杯。前有利の展開を考えれば力は示したと言えるが、スワーヴリチャード産駒はその父ハーツクライの割には夏場に急上昇を遂げた馬も見当たらず、意外と成長力に乏しい印象も受ける。

 カニキュルオーロラエックスといったあたりは自分の競馬ができなかったクチだが、ともに6月の1勝クラス勝ちはここでも通用するレベルの内容だったもの。その反動もあってか満足の行く仕上りで臨むことができなかったのかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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