人気薄で重賞連勝! マコトブリジャールは“もう本物”

佐藤直文 レース回顧
クイーンS

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またも波乱の立役者に マコトブリジャール

 出走していれば大本命だったチェッキーノが屈腱炎を発症して直前回避。風雲急を告げる様相となったが、奇しくも1800mで行われた4月の福島牝馬Sと同じワンツー決着で、しかも勝ち馬は再度の波乱を演出したことになる。

 そのマコトブリジャールだが、先行して早目に抜け出して後続の追撃を凌いだ福島牝馬Sとは違って、好位のインで脚を溜め、早目に抜け出した2着馬を一完歩ごとに追い詰めて差し切ったもの。前走のレース回顧では“買える材料を見つけるのが厳しいレベル”と書いたが、“成績を精査すれば久々は結構走る”とも書いた。今回は以来3ヶ月ぶりだったという点でも“買える材料”はあった。今回も人気薄ではあったが、別定戦で2回続けて走ったのだから、もう本物と見ていい。

 2着シャルールは、大外強襲で届かなかった福島牝馬Sとは違って、道中2番手から正攻法で一旦は完全に抜け出す形。これで差されたのなら仕方ないと言えるが、鞍上もよもやマコトブリジャールに差されるとは、と思ったのではないか。これまた福島牝馬Sのレース回顧で“牝馬重賞ならいつでも勝てるレベル”と書いたが、それが実現する日もそう遠くはないだろう。

 3着ダンツキャンサーは、勝ち馬同様に内枠を生かしてのロスのない立ち回り。開幕週の馬場も味方に付けた形だが、まだ完全復活とは言えないレッドリヴェールが4着、スローで掛かっていたテルメディカラカラが5着という掲示板の顔ぶれを考えても、他の馬がだらしなかったと言える。

 そのだらしなかった馬たちだが、リラヴァティは今日のペースで失速したのは状態か洋芝適性の問題かのどちらかだろう。ウインプリメーラは、明らかに軽い芝向きで洋芝は合わないと見ていい。ロッテンマイヤーは、4角でそれなりに見せ場は作ったものの、思いのほか伸びなかった。ただ、今回は初の古馬相手というよりも、久々の分と見ていいかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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