【アメリカJCC回顧】ダノンデサイルは「辛勝ではなく完勝」 “スペシャルウィーク以来”はなぜ

佐藤直文 レース回顧
アメリカJCC

まさに底力を問われる形の競馬で ダービー馬ダノンデサイルが貫録を示す

 前年のダービー馬が参戦するのは、あのスペシャルウィーク以来26年ぶりのこと。ただ、一見すると問われる要求性も違いそうな東京2400mと中山2200mだが、底力や長くいい脚という点で共通していたからこその結果かもしれない。

 そのダノンデサイル。有馬記念を使った後の状態が良かったからこその臨戦で、実際に申し分のないデキだった。道中は内に人気を分けたレーベンスティールを従える形でスムーズに折り合い、直線では粘り込みを図る前2頭に照準を合わせて差し切る正攻法の競馬。ダービー馬の貫録を示す走りで、着差以上の完勝だったと言える。

ダノンデサイル

1番人気の支持を受けたダービー馬ダノンデサイルが貫録の勝利

 2着マテンロウレオは、完璧とも言える立ち回りで、直線では先に抜け出した3着馬を内から捕えたもの。ダービー馬にそれ以上の立ち回りをされては仕方なかったが、6歳を迎えての充実ぶりは十分にアピールできたか。

 3着コスモキュランダは、得意とする舞台でイメージ通りの競馬ができた印象。これまた上位2頭を褒めるべきで、現状での自身の力は出し切ったように思う。

 4着ボルドグフーシュは、自分の競馬に徹して直線勝負に賭けたが、復調ぶりは十分に示す走りだった。

 5着ライラックもまた、同じように自分の競馬に徹した形で、年齢的な衰えは全く感じさせない走りを見せた。

 ビザンチンドリームは、もうひとつ器用さに欠けたのという点が今後の課題だが、勝ち馬を前に見てこれまた自分の力は出し切ったか。レーベンスティールは、特に大きな不利もなく、直線であの位置から伸びなかったのは状態面が整っていなかったとしか考えられない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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