6馬身圧勝の牝馬レーヌミノルは、昨年の勝ち馬シュウジ以上の器?

佐藤直文 レース回顧
小倉2歳S

大物誕生の予感 レーヌミノルが衝撃の6馬身差圧勝

 台風の接近で、一時は開催も危ぶまれた小倉2歳Sは、蓋を開けて見れば日中の降雨もなく良馬場での施行。ただ、6週連続開催の最終週の荒れた馬場で1分8秒0の決着タイムは掛け値なしに速い。能力差のある新馬戦ならともかく、1200mの重賞で2着に6馬身というのもほとんど“大差勝ち”というレベルであり、大変なスプリンターが出現したと言えるかもしれない。

 そのレーヌミノル。持ったままで2番手から運び、3角過ぎからは抑え切れない手応えで先頭に。あとは後続を離す一方、というレースぶりは、スピードの絶対値の高さとともに、先々が楽しみとなるスプリント能力を示したと言える。昨年の勝ち馬シュウジが、すでに古馬一線級と伍して戦っているが、あるいはそれ以上の器かもしれず、折り合いさえ付くようなら距離もマイルくらいまでは楽しめそうだ。

レーヌミノル

レース前は混戦と言われていたが終わってみれば1番人気のレーヌミノルが圧勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 ダイイチターミナルは、未勝利勝ちの時計が平凡で軽く扱われていたと思えるが、福島最終週の荒れた馬場での1分10秒1は、なかなか優秀なものであり、これくらい走って当然の馬。勝ち馬にこそ水を開けられたが、小柄でも非凡な勝負根性で2着争いを制した形だ。

 3着カシノマストは、九州産ながら一般馬相手に結果を残してきた馬。連闘のみならず、6週間で4走目だったことを考えれば、本当に良く走っている。最後に競り負けたのも、勝ち馬に勝負を挑んだ分と見ることもできるだけに、内容も評価できる。

 4着キョウヘイは、道中で若さを覗かせ、追走に苦しみながらも、直線では勝ち馬に次ぐ上がりで脚を見せた。気性面での成長があれば、大化けの可能性もある。

 5着シゲルベンガルトラは、中団から自分の時計だけ走って入着を果たしたもの。先々がどうこうというレベルではない。

 クインズサリナは、3着馬とともに勝負どころから勝ち馬を追って行ったがピリッとした脚を使えなかった。小倉滞在でのプラス14キロは、前走の反動があったのか、明らかな重目残りだった。オールポッシブルは、終始、外へ逃げ気味の走り。右回り、あるいは小回りがダメなのか、いずれにしろ力を発揮できなかった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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