いざクラシックへ! 高い完成度で重賞連勝ブレスジャーニー

佐藤直文 レース回顧
東京スポーツ杯2歳S

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前走をプレイバック ブレスジャーニーがクラシックへ名乗り

 2歳の中距離重賞と言えば、判で捺したようにスローペースとなるのが常だが、意外と速めの流れに。前半1000m60秒6は、重に近い稍重発表の馬場を考えればかなりの数字だ。上位は、そんな流れに惑わされることなく後方で脚を溜めていた馬たちが占めたが、ゴール前の叩き合いには見応えがあった。

 ブレスジャーニーは、返し馬などでは気持ちが入り過ぎていた印象を受けたが、競馬に行くとピタリと折り合い、道中は後方のイン。直線で外へ持ち出してからは迫力十分の伸び、というパターンは前走のサウジアラビアRCと全く同じであった。その前走と同じソフトな馬場も良かったと思えるが、現時点での完成度はかなり高いと見ていいだろう。今後は、距離延長や小回りコースへの対応が鍵となるだろうが、過去の勝ち馬の半数近くがGI馬となっている出世レースを制したことで、まずはクラシック候補に名乗りを上げたと言えよう。

ブレスジャーニー

外に持ち出してから伸びたブレスジャーニー(緑帽)が重賞連勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着スワーヴリチャードは、出遅れて最後方からの競馬となったが、勝負どころから早目に仕掛けていって、残り1ハロンでは一旦抜け出す形に。長く脚を使っており、ここまで走るとは、という感も受けたが、これまた少し時計のかかる馬場が合っていたようにも思えた。

 3着ムーヴザワールドは、2着馬と同じような形の競馬だったが、直線を向いてからの反応が一息で先を越されてしまったもの。それでもエンジンが再点火してからは猛追して、素質の高さは示した。ただ、こちらは少し馬場が応えた印象を受けるし、今日のところはキャリアの差もあったか。もっとゆったり行ける距離の方が、良さが出そうだ。

 4着キングズラッシュは、勝負どころでスッと動けず、4コーナーは最後方で回る形だったが、最後は上位3頭に見劣らない脚を使っていた。ただ、まだ随所に若さの見られる走りであり、気性面での成長が待たれるところだ。

 5着トラストは、テンに行きたがったところで内からマイネルが来てくれて、2番手で折り合うことができた。直線でも一旦は完全に抜け出して見せ場を作ったが、追われてフラフラするなど気性の若さも見せたし、最後は決め手の勝負になって脱落したもの。洋芝やもっと力の要る馬場向きと言えるかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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